本研究は、移民社会ドイツにおける異文化間教育の課題とその克服に向けて展開される政策、研究、実践の相互作用に着目し、この三者間の相互作用がいかに有機的に結びつけば、包摂社会の構築に向けた異文化間教育の実現に至るのか、その実相について理論的研究を行うことを目的とした。 研究成果として、以下の3点が挙げられる。①ブレーメン大学の教員養成の取り組みを事例に、三者間の有機的連関を明らかにした。②インターセクショナリティを視点に異文化間教育論における差異を巡る議論を整理し、権力への問いという課題を明らかにした。③権力関係の分析におけるインターセクショナリティの有効性とカテゴリーの問題を整理した。
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