研究課題/領域番号 |
19K02580
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
若山 育代 富山大学, 学術研究部教育学系, 准教授 (90553115)
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研究分担者 |
目良 秋子 白百合女子大学, 人間総合学部, 教授 (20349145)
入江 良英 精華女子短期大学, その他部局等, 教授 (30528328)
小尾 麻希子 武庫川女子大学短期大学部, 幼児教育学科, 准教授 (30735022)
佐藤 有香 和洋女子大学, 家政学部, 准教授 (60713641)
若尾 良徳 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (70364908)
桐川 敦子 日本女子体育大学, 体育学部, 准教授 (70583780)
後田 紀子 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80557786)
新家 智子 共立女子大学, 家政学部, 助教 (90782730)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 保育専攻学生 / カリキュラム・マネジメント / 知識 / 評価 |
研究実績の概要 |
本研究のための3年間の研究計画に基づき,本年度の研究課題として設定したのは次のものであった。すなわち,カリキュラム・マネジメント(CM)に関する知識量と,実際にCMを行う手続き的な知識を学生が持っているかどうかを評価するための指標を作成することであった。この研究課題を踏まえてこれまでの先行研究を概観したところ,これまではCMに関する授業について教員がもつ実践知を質的にまとめたものが中心で,学生のCMに関する知識を形式的評価によってとらえたり,量的データによってその実態をとらえたりしたものは少ないことがわかった。そこで,CMの存在や意義を知識として知っていれば,保育専攻学生は具体的なCMの手続きを考え出すことができるのか,ということを明らかにする研究を行った。
今年度の研究では,保育専攻学生のCMに関する知識の有無(【知識の記載】)と,CMの具体的な手続きの産出の有無(【知識と手続きの両方の記載】)が一致するかどうかを明らかにすることを目的とした。CMについて知っていることと,実際にどのようにCMを行うかを,保育専攻学生に自由記述アンケートによって尋ねた。なお,アンケートに回答する際は,テキストや資料などを参照せず記載するように伝えた。
アンケートの結果,【知識の記載】は約64%の学生が行っており,有意傾向に多く,【知識と手続きの両方の記載】は28.6%で,有意傾向に少ないことがわかった。つまり,保育専攻学生は,CMがどのようなものであるかという知識を持っているものの,具体的にどのようにCMを実施していけばよいかという手立ては思いつきにくいということがわかった。この結果を踏まえ,来年度は特にCMを行うための手続き的な知識を学生に教授する授業実践研究の必要性が見えてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書では,平成31年度(令和元年度)に保育者養成教育のシステマティック・レビューを行うとしていたが,これについては平成31年度(令和元年度)に論文を投稿したものの,不採択となった。しかし,令和2年度に再投稿したところ,保育者養成教育研究に掲載が決定となり,令和2年度末に刊行予定である。また,申請書では同様に平成31年度(令和元年度)はカリキュラム・マネジメントの専門的技術を測る知識テスト尺度を作成することにしていた。これについては平成31年度(令和元年度)にカリキュラム・マネジメントに関する保育者養成課程学生の「知識」として,宣言的な知識と手続きに関する知識の観点を設定し,アンケートを作成し,実施していた。それを令和2年度に分析し,結果を学会にて発表した。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は,カリキュラム・マネジメントに関する保育者養成課程学生の理解を深め,意欲を高めるシラバスを作成し,その効果を検証する実践研究を行うこととしていたが,コロナ禍により実施できなかった。令和3年度には,オンラインでの実施も検討しながら,カリキュラム・マネジメントに対する学生の意欲を高め,カリキュラム・マネジメントに関する知識を獲得させる授業実践のシラバスを立案・実践する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で,オンラインによる学会の研究大会参加となり,学会会場への移動がなくなったため旅費分を繰り越すことになった。また,授業実践が行えなかったため,そのための費用も繰り越すことになった。
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