研究課題/領域番号 |
19K02586
|
研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
池田 誠喜 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (90707192)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | レジリエンス / 生物・心理・社会モデル / 扁桃体 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、貧困、虐待、家庭崩壊、非行問題や近年の日本社会が抱える多様で慢性的なストレスなどの問題を状況下に育っていながらも、リスクにうまく対処し悪影響を克服して成長できる子どもたちの姿を示すレジリエンスのメカニズムを明らかにし、レジリエンスを形成するための効果的な学校教育の方略を示すことである。本研究は、自律神経系のストレス反応モデルからの知見である扁桃体の過敏性など、神経科学的視点を取り入れた生物・心理・社会モデルに基づいた中学生のレジリエンス形成のメカニズムを、学校での教育活動に適用し、その効果の検証を目指すものである。具体的研究方法として、①横断的調査による生物心理社会モデルからのレジリエンスの形成メカニズムの調査。②同一コーホート集団に対するレジリエンス形成メカニズムの縦断的追跡調査。③同一コーホート集団に対する学校教育におけるレジリエンス形成モデルの構築とモデルの検証。 2022年度は、引き続く新型コロナ感染症対策のため、学校現場への同一コーホートに対する介入モデル検証が実施できず、縦断的検証の実施は難しい状態であったため、研究内容について再考した。前年度の調査で、横断的調査による生物心理社会モデルからのレジリエンスの形成メカニズムの調査についての検討を行ったが、十分な結果が得られなかったこと、投稿した査読論文から尺度の妥当性や理論検討について示唆を得たことを踏まえて、横断的調査によるレジリエンス形成のプロセスについての解明を調査研究を中心に研究を進めた。特に、理論的研究として、レジリエンスの研究動向に沿って研究第1段階から第4段階の現在至るませの、研究動向の変遷を踏まえて整理して、現在のレジリエンス研究の状況をまとめた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度予定していた実践モデルによる介入調査が、新型コロナウイルス対応のため通常の学校生活で実施を想定していたモデルプランでは実施することができ ず、介入のためのモデルを再構築する必要が生じ、予定していた実践研究を変更することとした。研究のプランを横断的調査に変更して、そのための理論的整理と計画立案に当てたため予定していたエフォートでの取組ができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、研究調査方法を変更し、横断的調査を主体に、レジリエンスショートリストをもとにした検証を進め、日本版のレジリエンスショートリストを検討し、学校教育へのモデルを適用できるまでの状態につなげたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染対策のため、予定していた訪問調査が実施できなかったため。2021年度に執行を予定していた調査に係る旅費・物品費に残額が生 じた。次年度以降、介入長を一部変更して観察調査面接調査等に変更し展開したいので、そのための次年度の旅費・物品費に切り替える
|