研究課題/領域番号 |
19K02588
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
中尾 達馬 琉球大学, 教育学部, 准教授 (40380662)
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研究分担者 |
村上 達也 高知工科大学, 共通教育教室, 講師 (00743791)
数井 みゆき 茨城大学, 教育学部, 教授 (20282270)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 児童期 / アタッチメント / 表象 / Dタイプ |
研究実績の概要 |
本研究計画の目的は、児童期のアタッチメント表象を測定可能なSS24(24 version of Security Scale:24項目版セキュリティスケール)、SBS(Secure base script:安心の基地スクリプト)、ADSC(Attachment Doll Story Completion Task:アタッチメント・ドールプレイ完成課題)、CAI( Child Attachment Interview:児童アタッチメント面接)という4つの手法について、毎年1つずつ手法を日本に導入し、最終年度には、ADSCとCAIの臨床応用の可能性を探ることである。 初年度である2019年度は、児童の持つアタッチメント表象における「安全な避難所」「安心の基地」という要素を測定可能な自記式質問紙であるSS24について、日本語版を作成し、その信頼性と妥当性を検討した。日本語訳の手続きにおいては、トランスレーション-バック・トランスレーションの手続きを得て作成された項目(英語)を原著者に確認して貰い、必要に応じて修正を行った。信頼性については、内的整合性だけでなく再検査信頼性による確認も実施した。妥当性については、弁別的および収束的妥当性を、自己知覚尺度などの他の自記式質問紙との関連で検討した。これらの検討により、日本語版SS24は、十分な信頼性と妥当性を兼ね備えた尺度であることが示唆された。 今年度の研究における最大の貢献は、自記式質問紙を用いて、日本においても、旧版のセキュリティ・スケールにおけるアタッチメントの安定性に相当する「安全な避難所」だけでなく「安心の基地」というアタッチメントを構成する最も中核的要素を直接的に測定できるようになったことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的は、2019年度から、毎年1つずつ児童期のアタッチメント表象を測定できる測度を日本に導入することであった。今年度は、当初の目的通り、SS24を日本に導入することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の影響で、SBS、ADSC、CAIの海外での研修会が開催されない場合には、助成金を繰り越し研修の開催に備える。また、SBS、ADSC、CAIは、対面で実施する面接法であるため、COVID-19感染予防を含め、安心・安全に調査を実施するための方策を練る。
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次年度使用額が生じた理由 |
本助成金は基金であり、研究計画全体と照らし合わせた上で、研究分担者が次年度における使用が望ましいと判断したため。次年度は、これらを資料収集費・通信費などとして活用して貰う予定である。
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