研究課題/領域番号 |
19K02592
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研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
西浦 和樹 宮城学院女子大学, 教育学部, 教授 (40331863)
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研究分担者 |
池田 和浩 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 准教授 (40560587)
柴田 卓 郡山女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60762218)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 防災教育 / 幼稚園教諭 / 保育士 / 危機管理 / 被災地研修 |
研究実績の概要 |
本研究では、災害発生から急性期における子どもと家族、保育者の支援に対して、『創造的思考』の特性に着目した心理的回復・成長効果の期待できる新たな介入ツールを開発することを研究全体の構想として掲げていた。さらに、北欧の「民間防衛」をヒントにした防災教育プログラム開発とその教育効果を測定し、防災教育の効果的な実施方法を検討することとした。 2021年度の主たる研究活動として、本学で開催した被災地研修を取り上げた。その理由は、我が国の防災教育プログラムに関する研究は小中学生向けが多く、幼児向けの研究はわずかである。その中で、保育者を目指す学生向けの防災教育プログラムに関する研究は見当たらないからである。 そこで、本研究では、災害発生時の保育者の対応について学習可能な被災地研修を企画し、保育者養成における危機管理体制の構築支援プログラムの編成を試みた。被災地研修によって参加学生44名の学習効果や意識の変化を確認するとともに、レジリエンスと問題解決能力がどれほど有効かを探索的に研究した。 また、「被災地研修から学んだこと」について、被災地研修の参加学生から自由記述を収集し、KH Coderを利用してテキストマイニングを実施した。その結果、本研修が目的としていた「命の大切さ」を学ぶ研修プログラムになっていることがうかがえた。加えて、現地で語り部から学び、実際の避難を想定した訓練を考えることができる研修プログラムとなった。 このことから、本研修プログラムは、質的・量的側面から裏付けられた教育効果の高いプログラムであったことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内外でコロナウィルスの影響が大きく、出張が大幅に制限されたため。
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今後の研究の推進方策 |
「脳と学習:未来の学校のための知識(仮)」の出版を計画している。 本書は、心理学と脳の健康に関する研究成果を取り上げ、学校の教員が知っておくべき心の健康に関する知識を提供する。また、一般読者向けに解説・啓蒙する科学書、翻訳本となっている。 原著の編者は、スウェーデンのヨーテボリ大学を中心としたNeuroforumという研究者団体の会長ベルティル・トーマス教授である。 この本の著者らは、精神的健康、創造性、感情的コンピテンス、生活スキル、人の発達、それから生活の中で脳をできる限り上手に働かせる方法を知っておくことで、学校がより働きやすくなると主張している。 なお、原著は「Hjärnan och lärandet:Kunskaper för framtidens skola」174ページ ISBN:9789147140466 2020年発行 すでに翻訳も完了し、精神的健康の維持増進のヒントとなるマインドセットとグリッドといった、日本人になじみの薄いポジティブ心理学の研究成果を学校関係者と教員養成の学生に紹介したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの影響により、出張が大幅に制限されたため。
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備考 |
研究成果の一部を地域子ども学研究センターのHPで公開している。
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