研究課題/領域番号 |
19K02597
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
臼井 雅美 東邦大学, 健康科学部, 教授 (50349776)
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研究分担者 |
田久保 由美子 東京医療保健大学, 看護学部, 准教授 (20385470)
園部 真美 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (70347821)
伊藤 茂理 東邦大学, 健康科学部, 助教 (60845204)
林 華子 東邦大学, 健康科学部, 助手 (00845208)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 家族支援 / システムケア / 周産期 / 助産師 / 初めて親になる夫婦 |
研究実績の概要 |
本研究は、『家族システムケアアプローチを用いた周産期家族支援プログラム』の実現可能性を図るため、プログラムを実施する助産師の家族支援に対する現状とニーズを把握しプログラムのマニュアルを作成し、家族システムケアアプローチを用いた周産期家族支援プログラムの支援者セミナーを受講した助産師がプログラムを実施し、その有効性を検証することを目的としている。 令和3年度は昨年度と同様に新型コロナウイルス感染症の収束がつかず、令和3年度は更なる感染拡大の影響から緊急事態宣言も発令され、特に妊婦の感染に関する問題から産婦人科に関わる施設は混沌たる状況であった。そのため「研究1:助産師の妊娠期の家族支援の実態とニーズ調査」として、日本の産科医療保障制度に加入し分娩を取り扱っている全国の病院・診療所および助産所に常時勤務している助産師を対象に無記名による自記式質問紙調査を行う予定であったが、全国の医療施設の状況などにより助産師対象の調査が実施できなかった。また、「研究2:『家族システムケアアプローチを用いた周産期家族支援プログラム』の支援者セミナーの実施」として、研究1の結果をふまえた支援者セミナーも予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため実施ができなかった。 コロナ禍における研究方法としてインターネットリサーチやリモートを用いた介入方法などの計画も試みたが、研究代表者の家族の健康上の悪化により、看護・介護に時間を要し、実施まで至らなかった。 令和4年度は、研究代表者の状況も一変したことから、コロナ禍における研究方法を急ぎ立案し、予定している研究を実施することを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画では、助産師のニーズ調査および支援者セミナーを行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が更に大きくなり、全国の医療施設等の状況も鑑み、調査が実施できなかった。さらにコロナ禍および研究代表者の状況により当該研究に十分なエフォートを確保することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍で実施できる研究計画を再度見直し、調査方法および介入方法の検討を早急に行う。特に介入方法に関しては、COVID-19感染症拡大防止のため、リモートを用いた介入方法を海外の事例なども参考にしながら検討していく。 【研究1:助産師の妊娠期の家族支援の実態とニーズ調査】日本の産科医療保障制度に加入し分娩を取り扱っている全国の病院・診療所および助産所に常時勤務している助産師を対象にインターネットリサーチも検討し、無記名による自記式質問紙調査により、妊娠期からの家族支援教育(助産外来,母親学級・両親学級など)の機会とその頻度、具体的な内容、家族支援に対する助産師のニーズを明らかにする。 【研究2:『家族システムケアアプローチを用いた周産期家族支援プログラム』の支援者セミナーの実施】研究1の結果をふまえて、支援者が実現可能となる内容を補足・修正し、家族システムケアの有識者の助言を受けながら支援者セミナーの内容を検討し、リモートなどを活用したセミナーを計画する。 【研究3:助産師による『家族システムケアアプローチを用いた周産期家族支援プログラム』の実施】研究2の支援者セミナーを受講した助産師により、『家族システムケアアプローチを用いた周産期家族支援プログラム』を実施し、プログラムを受けた初めて親になる夫婦を介入群、プログラムを受けていない夫婦を対照群として比較検討し、プログラムの有効性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大により、検討に制限がかかったことから調査開始が遅れたため、一部予算を執行していない。研究計画立案の遅れにより、本来データ収集のために必要とする全国調査を実施するための郵送料および返信用封筒代等の費用を繰り越すこととなった。また、研究2において千葉・東京・埼玉の施設に研究依頼による打合せおよび支援者セミナー開催に対する打ち合わせの旅費を見積もっていたが、コロナ禍における緊急事態宣言の発令や研究者会議を対面で行うことが3密に相当すると判断し、急遽リモート会議へ変更したため、その分の会議費用や研究分担者の旅費を繰り越すこととなった。 2022年度は、研究1を遂行するための必要経費と、研究2・3の計画を早期に修正し、遠隔システムの導入と支援者セミナーにおける講師料および研究協力対象者に対する謝金、市販のアンケート代および郵送、データ収集用の費用に使用する予定である。
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