研究課題/領域番号 |
19K02610
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
青柳 直子 茨城大学, 教育学部, 教授 (80414100)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 部活動 / 心身の健康 / 生活リズム / 生活行動 / 学習意欲 |
研究実績の概要 |
本研究は,中学生における部活動と心身の健康,生活行動,学習意欲との関連について,明らかにすることを目的としている.初年度にあたる今年度は,質問紙調査により,生徒の部活動に関する意識や部活動の実施状況,学校生活や日常生活行動の様子について明らかにした.加えて,部活動指導者における意識や活動状況について調査を行った.具体的には以下の3点を実施した. 1)「運動部の在り方に関する総合的なガイドライン」(スポーツ庁, 2018年3月)の発出を受けて,各自治体の教育委員会が部活動に関するガイドラインを新たに定めるなど,部活動を取り巻く環境が大きく変化している現状を踏まえ,調査自治体の新規開拓及び対象校の選定を進めた. 2)今年度,新規開拓した自治体における中学校6校の1~2年生722名を対象として,自記式無記名の質問紙調査を行った.結果として,部活動の参加率は運動部の所属率が高いこと(約8割),活動状況(時間および日数)については所属部に依らず約7割が概ね満足していること,朝の部活動については運動部の方が文化部より実施の要望度が高いことなどがわかった.休日の起床時刻は部活動の実施の有無による影響がみられ,部活動無しの場合には平日と比較して遅延の程度が顕著であることなどがわかった. 3)部活動の指導面に関する現状把握のため,部活動指導員5名を対象とした質問紙調査を行った.結果として部活動指導員の制度上の課題などが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究成果について,国内の学会を通して公表・発表を行った.加えて,調査対象の自治体に関する新規開拓が進んだこと,部活動の指導面に関しても現状把握を行うことができたことより,研究は概ね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
研究2年目には,前年度に得られた調査結果を成果物(学術論文)としてまとめる.このほか,活動基準別の調査対象校の選定を行ったうえで,部活動が生徒の健康や生活にどのような影響があるのかという点について引き続き調査を行い,検討を進める予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた調査関連の消耗品の購入を調査実施形式にあわせて2年目に繰り下げたこと、新型コロナウイルス感染予防対策として、研究成果発表に関する複数回の会議への参加を取り止めることとしたため、旅費等が不要となったことが主な理由である。2020年度において、継続調査に掛かる消耗品の購入、謝金(調査補助)、国内・海外における研究成果発表と研究会議への参加の旅費として使用予定である。
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