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2023 年度 実績報告書

乳幼児期の学びの質を維持・向上させるカリキュラムマネジメントの開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K02612
研究機関山梨大学

研究代表者

大野 歩  山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60610912)

研究分担者 七木田 敦  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (60252821)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード保育 / 子どもの視点 / 教示的無関心
研究実績の概要

本研究の目的は、スウェーデンの「ペダゴジカル・ドキュメンテーション」をもとに、日本における「乳幼児期の学び」の質を維持・向上させる新たなカリキュラムマネジメントの手法を開発することにある。当該年度は、①スウェーデンにおける保育及び接続期教育の実態調査、②日本における保育者と子どもの相互行為分析調査の2つを実施した。
①スウェーデンにおける保育及び接続期教育の実態調査については、ヨーテボリ市及びその周辺自治体にある5園を訪問し、保育観察と保育者への非構造化インタビューを行った。成果として、保育現場には前回訪問時(2017年)よりも、より子どもの視点(baernsperspektiv)に即した保育実践や実践評価が展開されていることが明らかとなった。並行して、接続期教育を担う就学前クラスが義務教育化されたことにより、実践内容や評価方法が学校化(schoolification)に傾倒し始めており、就学前教育と接続期教育の違いが拡大したことが明らかとなった。
②日本における保育者と子どもの相互行為分析調査については、子どもの視点から学ぶ保育を展開する上で必要と考えられる保育者のかかわりを明らかにするために、保育観察をもとにした保育者と子どもの相互行為を分析する調査を実施した。研究の結果、これまで、とりわけ自然環境における保育で「間接的なかかわり」と呼ばれ重視していた保育行為とは異なり、保育者が子どもへ直接的なかかわりを多く示していることが認められた。ただし、この直接的かかわりは、「黙って子どもと同じ行為をする」など、積極的に教えようとしているわけではない=「教示的無関心」な態度であり、これゆえに、子どもの主体的な活動が組織化されていることが明らかとなった。ここから、子どもの視点から学ぶ保育を実践するには、保育者による「教示的無関心」というふるまいが重要であると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 幼児期におけるリゾマティックな学びに関する研究 : 5歳児の遊びの変容プロセスに着目して2024

    • 著者名/発表者名
      大野 歩
    • 雑誌名

      山梨大学教育学部紀要

      巻: 34 ページ: 15~26

    • DOI

      10.34429/0002000136

  • [雑誌論文] 森のようちえんの遊びにおける子どもと保育者の相互行為に関する研究―保育者の教示的無関心という視点から―2024

    • 著者名/発表者名
      大野歩・七木田敦
    • 雑誌名

      幼年教育研究年報

      巻: 46 ページ: ー

  • [学会発表] スウェーデンにおける接続期教育に関する研究-義務教育化後の―就学前クラスの実践を中心に2024

    • 著者名/発表者名
      大野歩
    • 学会等名
      日本保育学会第77回大会
  • [学会発表] 保育実践における保育者の遊びへのかかわりに関する研究-保育者の教示的無関心という視点から-2023

    • 著者名/発表者名
      大野歩,七木田敦
    • 学会等名
      日本保育学会第76回大会
  • [学会発表] 森のようちえんにおける保育者の遊びへのかかわりに関する研究-教示的無関心という視点から-2023

    • 著者名/発表者名
      大野歩,七木田敦
    • 学会等名
      日本乳幼児教育学会第33回大会

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公開日: 2024-12-25  

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