研究課題/領域番号 |
19K02617
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
新田 收 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 客員教授 (80279778)
|
研究分担者 |
松田 雅弘 順天堂大学, 保健医療学部, 先任准教授 (40453485)
楠本 泰士 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (60710465)
小山 貴之 日本大学, 文理学部, 教授 (80579110)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 運動発達 / GMFM / 回帰分析 / 発達障害 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,一般乳幼児に対するGMFM使用時の基礎的な資料とするため,一般乳幼児におけるGMFMスコアと月齢の関係を検討することとした.対象は,複数の保育園で募集された.一般的な乳幼児を対象とするため,運動障害,知的障害および発達障害の診断を有する児,早産児および低出生体重児は対象から除外した.評価項目は,臨床現場で広く用いられている簡易的な評価方法であるGMFM-66 B&Cとした.GMFM-66 B&C の評価後,GMFM App+を用いてGMFMスコアを算出した. GMFMスコアと月齢の関係をPearsonの相関係数を用いて調べた.月齢を独立変数,GMFMスコアを従属変数として直線回帰式,2次回帰式,3次回帰式を求め,それぞれの回帰係数を求めた.統計学的検討は,SPSS Statistics 22 (IBM)を用いて実施し,有意水準は5%とした.対象児は62名 (男児35名)であった.対象児の月齢は9~36か月であり,平均月齢は23.8±7.6か月であった.対象児の身長は82.2±6.9cm,体重は11.3±1.8kgであった.GMFMスコアは,月齢と強く相関した (r=0.88, p<0.05).月齢を独立変数,GMFMスコアを従属変数とした回帰式を求めた結果,有意な3次回帰式,2次回帰式,直線回帰式が得られたが,3次回帰式の回帰係数が最も高くなった. 本研究の結果から一般乳幼児にGMFMを用いる場合,GMFMスコアは月齢と強く相関し,GMFMスコアと月齢は3次曲線に回帰できる曲線的な関係になることが示された.乳幼児の運動は直線的に発達しないことが知られているが,GMFMを用いて粗大運動能力を評価すると,GMFMスコアの変化量が一定ではなく月齢に応じた変化量があることが分かった.
|