研究課題/領域番号 |
19K02623
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
岩田 恵子 玉川大学, 教育学部, 教授 (80287812)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 二人称的アプローチ / おもしろさ / ドキュメンテーション |
研究実績の概要 |
本研究は、二人称的アプローチにより、乳児の仲間とのかかわりあいのありようを明らかにすることを目的として、下記2点の観点からデータの取集と分析を進めていく予定であった。 1)本研究の分析視点のひとつめとして、乳児とモノとのかかわりあいを大切にしている保育実践の場において、保育者の協力を得ることによって、継時的な仲間とのかかわりを撮影記録し、視線等を含めた微視的な分析を実施する。 2)本研究の分析視点のふたつめとして、赤ちゃんラボにおける初対面の乳児の仲間との出会いの場を設定し、そこでのかかわりあいについてのデータ収集と分析を実施する。 しかし、新型コロナウィルス(COVID-19)の対応のため保育実践の場は研究に応じる余裕はなく、赤ちゃんラボも活動を停止せざるを得なかった。そのため、令和2年度は、本研究データの収集を行うことは一切できなかった。 本年度、実施できたことは、昨年度、予備的に収集したデータを、乳児が保育の日常の中で出会うモノのおもしろさを仲間と共に味わい、さらに共におもしろがる活動へとつながるプロセスと、そのような保育者の二人称的かかわりに支えられている乳児期の仲間とのかかわりあいのありようをエピソードとして分析したことである。また、現場の保育者に新型コロナウィルス(COVID-19)の中でも続く日常の保育における話を伺い、関連する保育ドキュメンテーションを見せていただくことから、乳児同士のかかわりあいの契機について、いくつかのエピソードを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
実績概要にも記したように、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で、保育の実践現場でも、大学の赤ちゃんラボでも、新たなデータを収集することが不可能であったため、当初の研究計画では進まない状況であった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響は、なお続いており、当初の研究計画で考えていた、保育の実践現場や、大学の赤ちゃんラボで、新たなデータを実際に収集することは、令和3年度も困難が予想されている。乳児の仲間とのかかわりあいのありようについて、保育者の記録やインタビューから検討していくかたちに、研究計画を見直し、それらのデータと可能な範囲での動画データ取集を試みることとを合わせて分析していくことを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で、本研究データ収集活動を全く行うことができなかったため、直接経費を使用せず、次年度に持ち越すかたちとなった。 令和3年度は、状況をみながら、当初の研究計画にあった保育実践場面での録画データ収集を、規模を縮小して行うことを検討している。また、赤ちゃんラボでの研究実施は、引き続き難しいことが予想されるため、この状況の中でも、可能な研究計画として、以下の2つを検討している。ひとつには、保育者への日常の乳児同士のかかわりあいについての数回の継続的なインタビューを行うこと、もうひとつは、保育者が日常の保育の中で作成している日々の記録の提供に基づき、乳児同士のかかわりあいの発達について分析考察を進めることである。このための研究費使用として、音声データの記録媒体の購入、音声データの文字化依頼の予算使用を計画している。
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