研究課題/領域番号 |
19K02624
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
若菜 宣明 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (30508221)
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研究分担者 |
本間 和宏 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (00190273)
白井 智美 東京農業大学, 応用生物科学部, 助教 (60803848)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 母乳栄養 / 乳児 / 栄養学 / 健康 |
研究実績の概要 |
母乳は乳児にとって最適な栄養源である。母乳栄養法に関する報告は乳児や授乳婦単独を対象とした物が多く、母児が健やかに実践できる母乳栄養補を検討した報告はほとんど見られない。本研究では母乳中に含まれる各種栄養素および生理活性物質を高速液体クロマトグラフィー法などにより測定、解析することで母乳栄養法が 乳児の健やかな成長にどのように影響するのかを明らかにする。これに加えて授乳婦を対象として乳児に対する栄養法を確認した上で栄養状態や食事摂取状況等を評価することで母乳栄養法に係わる栄養学的問題点の抽出および解決策を検討する。これらにより、母児が健やかに実践できる母乳栄養法を確立することを目的とする。 令和元年度は、母乳中のビタミンK濃度及び亜鉛濃度についても検討を行った。母乳中のビタミンK濃度はHPLC法にて測定し、亜鉛濃度は比色法により測定した。母乳中のビタミンK濃度は近年販売された液体ミルクなどと比較すると低い濃度であった。また、出産後経過日数や児の出生時体重との関連性は認められなかった。このように母乳中のビタミンK濃度が低くくても、多くの乳児ではK2シロップが投与されていることから乳児の健全な発育にはほとんど影響はないと考えられた。さらに、母乳中の亜鉛濃度については、母乳中亜鉛濃度と出産後経過日数に有意な正の相関が認められた。これに加えて、初乳中亜鉛濃度と出生体重には有意な正の相関が認められた。低出生体重児をもつ授乳婦の初乳中亜鉛濃度の測定は児の健全な発育に寄与する可能性があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
母乳中のエネルギー、タンパク質、脂質、ビタミンK、亜鉛などのデータを入手することはできたが、母乳中の授乳婦を対象としたアンケート調査については調査項目の検討が終えられていないため実施に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
母乳中エネルギー、タンパク質、脂質、糖質、ビタミンK、亜鉛濃度などの各種の母乳中成分のデータ収集を継続して行っていく。さらに、授乳婦及び乳児を対象としたアンケート調査を実施するために、調査項目を検討し実施する。
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