研究課題/領域番号 |
19K02629
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
酒井 俊郎 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (80249242)
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研究分担者 |
藤井 勝紀 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (10165326)
浦野 忍 藤田医科大学, 医学部, 客員助教 (20839328)
田中 望 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (50387635)
石垣 享 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (60347391)
早川 健太郎 名古屋経営短期大学, 子ども学科, 准教授 (70740421)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 幼児 / 体力 / 運動能力 / 体格 / 身体活動 / あそび(遊び) / 生活習慣 |
研究実績の概要 |
これまで我々が行ってきた「幼児の体力・運動能力、身体活動、遊び内容、生活習慣調査(1969年、1979年、1989年、1999年、2009年実施)」に引き続き、同様の項目・種目について愛知県を中心に2019年度に測定・調査を行った(3歳~6歳・約3000名の幼児を対象)。2022年度は作年度に続いてこれらの結果を集計分析し学会発表、および論文投稿、書籍化を行った。 【家庭における身体活動傾向】 家庭での身体活動の状況については、「活発」と答えた割合:男児72%、女児66%、「やや活発」以上:男女とも90%であった。運動量についても「十分」と回答した割合が男女とも約60%と高かった。しかし外遊びの時間は男女とも「少ない(30分未満)」が約6割強と高く、遊びの種類も「ままごとや塗り絵」「ブロックや積み木」など非運動系の遊びが高い割合:男児約60%、女児75%であった。外であそぶ場合の遊び場所は男女とも公園:約60%ガ最も多く、続いて庭先:約38%が多かった。 また、「近所の友達の数」は多い(2人以上)、少ない(1人以下)の割合が同程度で一定の傾向は示されなかった。 「スクリーンタイム(ST:テレビやビデオ、DVDなどの視聴)」について、平日・休日、男女とも「少ない」の割合が若干高い傾向:約55%にあった。平日の外遊びとスクリーンタイムの関係では男女とも「外遊び少ない+ST少ない」の割合が男女とも約40%と最も高く、続いて「外遊び少ない+ST多い:約26%」が高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は得られた約3000名のデータについて、各担当が解析を進めていった(下記1~5)。1.体力・運動能力データの傾向分析。2.体力・運動能力の年次変化 の検討 3.今回行ったアンケート調査結果の分析検討。4.アンケート調査結果を過去と比較検討する。5.wavelet補間法を用いて解析する。 そして、明らかになった知見について複数の学会で発表するとともに、論文として投稿した。学会等での研究発表についてはコロナ禍のため国内外で多くの学会大会が制限付き開催となったが、いくつかの学会で成果を発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
幼児の研究分野において貴重な50年間にわたるデータであり、今後はさらに解析を進めるとともに、 ①体力・運動能力データの傾向分析について、1969年(50年前)、1989年(30年前)、1999年(20年前)と現在(2019年)を比較検討し、その結果から現代の幼児の体力・運動能力の傾向を分析・検討する。また、体格と体力・運動能力との相関分析を行い、運動能力が体格の要素に依存しているのか、それとも独立に発達を成就しているのか引き続き検討する。 ②体力・運動能力の年次変化の検討について、1969年、1979年、1989年、1999年、2009年、2019年の6時点を連続と見なし、体格、体力・運動能力の各平均値の変化に対して解析を加えていく。50年間の時代変化に対してどの時代で各能力が増減を示すのかについて昨年度に引き続き検討する。 ③幼児の身体発育と発達(体格と運動能力)について生活習慣や生活環境との関係についても検討していく。 そして、上記の研究で得られた結果について、日本教育医学会、日本体力医学会、日本生理人類学会、東海体育学会、日本生産管理学会、日本発育発達学会、等での発表を予定している。さらに海外渡航状況が改善されつつあり、ECSSなど国際学会に積極的に参加して発表したい。一方、論文を作成して発育発達研究、体育学研究、体力科学、教育医学、標準化研究さらには国際誌にも投稿する準備をしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度もコロナ禍の影響で、学会参加(とくに国際学会)の制限が生じ、十分な参加ができなかった。次年度は、国際学会の参加準備を積極的に進めると共に、研究成果の発表に務める予定である。
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