研究課題/領域番号 |
19K02633
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
岸本 三香子 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 教授 (80312130)
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研究分担者 |
村上 亜由美 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (50321146)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 幼児 / 食事介入 / クロノタイプ / 唾液コルチゾール |
研究実績の概要 |
〈目的〉R1年度、R3、R4年度に引き続き、保護者による幼児への食介入支援が、幼児の自立起床及びクロノタイプの前進及び唾液ストレス応答に及ぼす影響を検討した。 〈方法〉私立幼稚園児7名(5歳児)(男児5名、女児2名)とその保護者を対象とした。調査方法はR1年度、R3、R4年度と同様である。唾液は1日4回採取し測定に用いた。調査は令和5年9月(介入前)と10月(介入後)の連続する3日間とした。先行研究によるクロノタイプの朝型の特徴から、介入12日間の朝食時のたんぱく質摂取量を10g以上となるように依頼した。幼児は唾液コルチゾール(Cor)測定、Fitbit ace3装着による睡眠及び活動量の測定を行った。 〈主な結果〉1.介入前の食事調査では、1日の平均摂取エネルギーは1451kcal、エネルギー産生栄養素バランス(%E)12:29:59、朝食の平均摂取エネルギーは374kcal、たんぱく質12.7g(最小値9.8g、最大値14.3g)、脂質11.8g、炭水化物55.2gであった。介入期間中の朝食のたんぱく質摂取量は全員が10gを達成した。2.幼児の健康度やクロノタイプには変化はみられなかったが、朝に食欲があるもの、目覚めや寝つきの状況が改善したものが増えた。3.保護者による幼児の健康面や生活面の評価で良好な変化が認められた。4.唾液Cor濃度は、介入前後ともに起床30分後に最も高く、その後低下し就寝時に最も低値を示し、介入により波形には差はみられなかった。〈考察〉朝食における保護者による食介入は幼児の生活状況に影響すると考えられたが、調査開始時の幼児の生活習慣や健康状態は良好であり、また、介入期間が短いため、健康度や唾液コルチゾール濃度への顕著な影響は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、幼児に生活習慣及び食改善教育を行うことにより自立起床を促すことによる唾液ストレス応答に及ぼす影響を検討し、幼児の望ましい生活行動を提案する。 調査項目として、アンケート調査のほかに、体温及び唾液コルチゾール濃度の測定、食事調査がある。さらに幼児の活動水準を把握するため、ICT機器装着により歩数及び睡眠時間、睡眠の質を測定する。本調査では、R1年度では対象者10名に対し唾液コルチゾール濃度と睡眠や食事との関連を検討することができた。R1年度に引き続きR2年度も同様の調査分析を行う予定であったが、コロナ感染拡大により、対象者である幼児や保護者に一連の調査、唾液の採取の協力を要請することができなかった。R3年度~R5年度は、R1年度と同様の計画を実施したが、コロナ禍のため協力いただけた対象者が少なかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年までの方法を踏襲し、対象者の睡眠覚醒リズムを含む生活習慣に関するアンケート、体温及び唾液コルチゾール濃度の測定、活動水準の測定、食事調査を行う。対象者による唾液の採取が困難と推察された場合は、研究方法を一部変更して実施する予定である。本研究では幼児に生活習慣及び食改善教育を行うことにより自立起床を促すことにより、幼児の望ましい生活行動を提案することである。自立起床と生活習慣について対象者を増やしてアンケート調査による解析を加えたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、幼児に生活習慣及び食改善教育を行うことにより自立起床を促すことによる唾液ストレス応答に及ぼす影響を検討し、幼児の望ましい生活行動を提案する。調査項目として、アンケート調査のほかに、体温及び唾液コルチゾールの測定、活動水準の測定、食事調査がある。 R1年度、R3、R4年度に引き続きR5年度も同様の調査分析を行う予定で、対象者である幼児や保護者に一連の調査や唾液の採取の協力を要請したが、コロナ感染症の影響のため対象者が少なったために予定金額に満たなかった。 R6年度においても生活習慣及び食改善教育を行うことにより自立起床を促すことによる唾液ストレス応答に及ぼす影響を検討する。対象者を増やすためにも唾液採取回数を減らすなど検討する。
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