研究課題/領域番号 |
19K02634
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
岩藤 百香 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 講師 (80612986)
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研究分担者 |
青木 陸祐 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 教授 (30330632)
松本 正富 京都橘大学, 工学部, 教授 (20341159)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | インフォームド・アセント / 小児医療 / ビジュアルデザイン |
研究実績の概要 |
本研究は,小児の納得を助けるインフォームド・アセント用の視覚的な資料をHPで公開することで実施の足掛かりとしての有効性を明らかにすることを目的とし,2023年度は看護師が資料作成時に感じる困難さの把握と,汎用的イラスト素材のHP公開に向けたダウンロードシステムの要件抽出を研究の主軸に置いた. 1.看護師が資料作成時に感じる困難さの把握:小児患者用の説明資料作成経験をもつ看護師に聞き取り調査を行い,1)限られた業務時間内に専門的な内容かつ子ども用のタッチで描かれたイラスト素材を探しきれないこと.2)説明文とイラストの適切な配置が分からないこと.3)凝ったデザイン調整をするための専門的ソフトがないこと.4)モノクロ印刷ではイラストが見づらいことがある,などの困難さが捉えられた. 2.汎用的イラスト素材ダウンロードシステムの要件抽出:先行して開発した小児白血病のための汎用的イラスト素材53点のHP公開に向けて,イラスト素材ダウンロードシステムの要件を検討した.一般的な素材配布HPで用いられるダウンロードシステムのパターンを抽出し,看護師への聞き取り調査によって得られたニーズを参考に1)患児の症例に応じて必要なイラスト素材をできる限り網羅し,一括でダウンロードできる.2)説明文とイラスト素材を組み合わせたデザインモデルがダウンロードできる.3)デザインモデルは一般的なソフトで内容を編集できる.4)必要に応じてカラー・モノクロ印刷に適したイラストを選択できる.という4つの要件を抽出した.また,著作権に関するガイドラインを明記することでイラストレーターの権利も守ることが確認された. これまでの研究成果は,第70回小児保健協会学術集会および第70回日本デザイン学会にて発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
汎用的イラスト素材の開発において多職種の合意形成や医療監修に想定よりも時間を要した.それに伴い,イラスト素材に対する医療従事者とのディスカッションも予定の件数に至らなかった.
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,開発したイラスト素材およびデザインモデルを公開するHPのプロトタイプを制作し,看護師によるインフォームド・アセント用の視覚的な資料作成に対する有効性を明らかにするため,以下の方策を積極的に講じる. 1)素材の探しやすさに有効な要件の抽出…HP上に開発した素材のダウンロードシステムを構築し,システムを利用した複数の看護師に対するアンケート調査を行って必要な素材の探しやすさに有効な要件を明らかにする. 2)素材を用いた資料作成に対する看護師の意識の把握…素材を利用して資料を作成した複数の看護師にアンケート調査を行って,作成時の意識に変化がみられるかを明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)コロナ禍の影響により研究協力者である看護師との打合せが遅延し,開発したイラスト素材を公開するHP制作に至らなかったため. (使用計画)2024年度は,昨年度からの計画に基づき以下の使用を予定している.1.ホームページ上でのツールダウンロードシステムの構築(委託費),2.国内の病院における事例調査および看護師との打合せ(国内旅費・被験者謝礼金),3.学会等における情報収集(国内旅費)等.
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