| 研究課題/領域番号 |
19K02635
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| 研究機関 | 武庫川女子大学短期大学部 |
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研究代表者 |
小尾 麻希子 武庫川女子大学短期大学部, 幼児教育学科, 准教授 (30735022)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 明石女子師範学校附属幼稚園 / 及川平治 / 「生活單位ノ保育カリキュラム」 / 「明石附属幼稚園プラン」 |
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| 研究実績の概要 |
３年次の研究では、戦後日本の進歩的幼稚園カリキュラムの先駆「明石附属幼稚園プラン」がいかなる研究と実践の蓄積の上に開発されたのかを、その源流となる1930年代の明石女子師範学校附属幼稚園における「生活單位ノ保育カリキュラム」（昭和８年頃）の開発過程に遡って明らかにすることを目的とした。
研究の結果、明らかとなったのは、以下の２点である。
第１に、「生活單位ノ保育カリキュラム」は、1908（明治41）年以来の幾多に及ぶ保育科目の改編を軸に推進されてきた。その改革は、(1)恩物に依拠した保育からの脱却に端を発し、「近郊利用」「園藝」などによる戸外活動を中心とした生活保育への転換、(2)「劇化」を中心とした人文科・「近郊利用」「園藝」を中心とした自然科における生活単元保育の萌芽的実践、(3)近郊利用・園藝・動物飼育・設備利用の各カリキュラムに基づく生活単位案の構築、(4)及川の提示した郷土の人々の生活分析に基づく生活単位案の組織、という歴史を辿ってきた。
第２に、「生活單位ノ保育カリキュラム」の開発へと至る研究は、及川の提示した教育測定学の研究を起点とし、(1)各種の測定法や評価基準の整備とその実施、(2)社会的場面において形成すべき望ましい習慣を、行動として具体的に観察・測定可能な形で表した保育案の研究、(3)「子どもの事実」に基づく生活単位案の組織から個人差に応ずる遊びの研究に至るまでの「生活全体の指導課程」の編成、(4)望ましき活動への変化としての知識・感情・習慣・態度を記した「生活單位ノ保育カリキュラム」の組織、という一連の手続きを採って推進された。
以上の「生活單位ノ保育カリキュラム」に基づく実践的課題を踏まえ、同園のカリキュラムがいかに改革されていったのかを検討することは、未だ解明されるに至っていない「明石附属幼稚園プラン」の開発過程を紐解く手がかりとなり得る。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
３年間の研究を通して得た研究の成果は、第１に、徳島大学学芸学部附属幼稚園及びお茶の水女子大学附属幼稚園の実践的資料に基づいて、「保育要領」刊行から「幼稚園教育要領」刊行へと至る時期の幼稚園における教育計画研究と実践の特質を明らかにしたことである。第２に、「明石附属幼稚園プラン」の礎となる、昭和初期の明石女子師範学校附属幼稚園における保育カリキュラムの開発過程を明らかにしたことである。以上のことから、本研究全体の目的達成に向けて概ね順調に進展していると認められる。
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| 今後の研究の推進方策 |
４年次には、昭和10年代の明石女子師範学校附属幼稚園における保育カリキュラムの開発過程を明らかにした上で、戦後の「明石附属幼稚園プラン」の開発過程の解明に着手する。
５年次には、「保育要領」刊行から「幼稚園教育要領」刊行へと至る時期のC幼稚園におけるカリキュラム開発過程を明らかにする。その上で、本研究で取り上げた４つの国立大学附属幼稚園におけるカリキュラム開発過程と、当時の幼稚園カリキュラムをめぐる背景とを照らし合わせつつ、戦後日本の幼稚園カリキュラムの成立史を紐解いていく予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症による影響を受け、県外の幼稚園及び国立国会図書館・国立教育政策研究所図書館での研究資料の閲覧・収集に制限が生じた。そのため、研究資料閲覧に係る旅費や研究資料印刷代等の経費を次年度に繰り越すこととした。
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