ヒトの言語獲得において、乳児期の母語音声に対する聴覚学習はその基盤をなしている。ではこの乳児期の聴覚情報処理の個人差は、その後の言語発達やコミュニケーション能力の発達においてどの程度また、どのように関係しているのだろうか?本研究では言語発達の初期段階に見られる音韻弁別能力の個人差と語彙発達との関係を家庭環境や社会的環境との相関分析を通してその関係性の解明を目指すものである。その結果、海外の先行研究で見られるようなSES(Socio Economic Status)との相関は見られず、母親の就労状況が20カ月児の語彙発達に影響を与えることが明らかとなった。
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