研究課題/領域番号 |
19K02652
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
星山 麻木 (柳沼麻木) 明星大学, 教育学部, 教授 (70304558)
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研究分担者 |
近藤 万里子 帝京短期大学, 帝京短期大学, 講師 (20814130)
佐々木 沙和子 帝京大学, 教育学部, 助教 (90827437)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ASD5歳児 / 感覚過敏 / 就学支援プログラム / 実証的研究 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ASD5歳児を対象に感覚過敏に対する合理的配慮を保護者と教員で情報共有するために就学支援プログラムを実施し、検証することである。 2020年度は(1)研究協力の得られた園で2019年度に収集したデーターである、5歳児の感覚プロファイル検査とKIDS発達検査の結果を分析した。(2)2019年度SP検査について、保護者と幼稚園教員を対象に子どもの感覚過敏の評価がお互いどの程度異なるのか、家庭での日常生活と幼稚園での相違点と関連性を明らかにすることを目的にケース会議を行った。その結果、幼稚園での感覚過敏と合理的配慮の必要性や日常生活との配慮事項の関連性が明らかになった。(3)その結果に基づき、感覚特性の理解と支援に役立てるために就学支援シートを作成した。そのシートを就学先でどのように生かすことができたかどうか検証した。実践として、保護者が1年生の新担任に就学支援シートとして提示し、感覚特性の理解と合理的配慮の実践を行った。コロナ禍の影響でケース会議の面談をすべて行うことは困難であったが、オンラインで保護者と担任の協力を得て情報共有を行うことができた。この結果についてはさらに分析中である。(4)今後は支援会議を実施することで、保護者と教員の合理的配慮に対する情報共有ができるか、子どもへの合理的配慮の視点が的確になるかを含め、就学支援プログラムの一連の流れを検討する。また就学支援シートの有効性や改善点についても検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第1に、研究協力の得られた園で2019年度に収集したデーターである5歳児100名の感覚プロファイル検査(SP)とKIDS発達検査の結果を分析した。ASDと定型発達群の比較検討が進行中である。 第2に、コロナ禍であったにもかかわらず、本研究の研究協力者である幼児教育施設と就学先の公立小学校共に協力が得られたこと。保護者が作成した就学支援シートを就学先に提示でき支援に活用できたこと。2020年3月感覚プロファイル(以下SP)の結果を生かし、保護者と教員が参加し、支援会議を対面やオンラインで実施することができた。 第3に、国外のオンラインでの学会発表を通じ、就学支援プログラムについて検討を重ねることができ、感覚過敏に対する就学支援の方向性が考察できた。ASDおよびその疑いのある5歳児の就学支援に関する感覚過敏に対する合理的配慮の共有を保護者と教員がどのように共有することが重要なのか今後のプログラム課題として検討できた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度はASDおよびその疑いのある5歳児の就学支援に関して、感覚過敏に対する合理的配慮の情報共有をどのように生かし、就学支援プログラムとするか検討とする予定である。幼児期から学童期への引き継ぎ、保護者と教員の情報共有を可能にするため、実証的なプログラム一連の検討にはいる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で国内外の学会発表が対面実施できなくなったため。
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