研究課題/領域番号 |
19K02653
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研究機関 | こども教育宝仙大学 |
研究代表者 |
守 巧 こども教育宝仙大学, こども教育学部, 准教授 (90609843)
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研究分担者 |
田丸 豊 (松原豊) 筑波大学, 体育系, 教授 (10566805)
若月 芳浩 玉川大学, 教育学部, 教授 (30349203)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | インクルーシブ保育 / 合理的配慮 / ニュージーランド / 幼稚園 / 幼稚園教諭 |
研究実績の概要 |
1 我が国のインクルーシブ保育に関する幼稚園の実情を明らかにするために、質問紙調査を実施した。今回の調査では、インクルーシブ保育の実践的取り組みに際する教諭の意識についての知見を得ることをねらいとする。そのため、保育実践、教材、玩具・人的資源・環境・システム等についての項目を盛り込んだ質問紙を作成した。項目内容を大別すると①あなたの基本情報について、②インクルーシブ保育について、③合理的配慮について、で構成されている。項目を精査するために、事前に予備調査を実施した。予備調査の内容は、質問に対する記述のしやすさ、項目数や自由記述の内容及び量についてである。予備調査は、公立幼稚園教諭及び私立幼稚園教諭の双方の教諭を対象とした。これを踏まえ、項目を精査したうえで東京都における公立幼稚園と私立幼稚園の教諭を対象とする質問紙調査を実施した。分析は、統計的な処理を行い、それぞれの傾向や公・私立の差の有無等をする予定である。 2 インクルーシブ保育実践園の教諭に、インクルーシブの考え方、日常の工夫、困難性等をインタビューし、インクルーシブ保育の定義に関する実態把握及び内容の検討をした。先行研究から保育経験年数によって障害がある子ども、あるいは障害がある子どもがいるクラスへの保育への捉え方が異なることがわかっている。そこで、初任者(0-2年)、中堅者(3-15年)、熟練者(16年以上)と経験年数別の3グループにわけてフォーカスグループインタビューを実施した。インタビューガイドは、①クラスにおける気になる子や診断がある子の有無、②発達が気になる子、障害のある子の保育の場について、③保育実践上の工夫について、④共に保育することのデメリットについて、⑤共に保育することのメリットについて、⑥インクルーシブ保育への認識・理解、⑦インクルーシブ保育の課題、である。現在、逐語録に起こし、分析段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」1においては、予備調査及び公立幼稚園・私立幼稚園への調査を行うことができた。また、回収及びデータ入力まで行った。分析については、現在は、大まかな傾向やそれぞれの比較まで行っている。研究開始に際しては、こども教育宝仙大学学術研究倫理審査に申請し、研究実施の承諾を得た。本成果は、学会及び紀要などで発表する。 また、フォーカスグループインタビューは既に中堅者、熟練者に実施済であり、逐語録化も済んでいる。それぞれの傾向を押さえるべく、分析の途中である。ただし、フォーカスグループインタビューは全員が異なる幼稚園に勤務する教諭を選定している特性上、スケジュール調整が困難であることから、新任教諭には未実施である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、質問紙調査及びフォーカスグループインタビューのデータを分析していく予定である。前述2つの分析結果は、学会での発表をする。あわせて、分析結果に対する幼稚園教諭の捉えや反応を得るために、学会シンポジウムなどで広く意見を受けながらインクルーシブ保育の定義をブラッシュアップさせていく。2021年度にむけて、積極的に幼稚園を訪問し、園内研修や保育カンファレンスの場を活用し、インクルーシブ保育の定義の課題を明らかにしていく。それを踏まえ、適宜修正をすることと並行して、学会において発表を繰り返していく。 さらに、今年度は、世界においてインクルーシブ教育をリードしているニュージーランドにおけるインクルーシブ保育の実地調査を行う。主に、知的障害の学校、幼稚園、プレイセンター、コンガレオを見学する。それに加え、そこで従事する教員や保育者、保護者への質疑応答をする予定である。ニュージーランド視察は、学会での発表とあわせて、紀要にまとめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新任教諭へのフォーカスグループインタビューは、スケジュールを組んでいたものの、新型コロナウイルス感染へのリスクを鑑み、中止・延期とした。そのため、インタビューにかかる謝金や旅費などが次年度に繰り越すこととなった。あわせて、統計的分析をはじめとするデータの分析は、一部データ収集途上であることから、次年度本格的に着手する予定となり、結果統計ソフト購入費が余剰となった。 次年度は、統計ソフトを購入したうえで、データが揃った段階で迅速に分析に着手する。あわせて、その結果を適宜、幼児教育系、発達障害系の学会における年次大会で発表する。
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