研究課題/領域番号 |
19K02660
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研究機関 | 中国学園大学 |
研究代表者 |
中 典子 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 教授(移行) (70369784)
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研究分担者 |
安田 誠人 大谷大学, 教育学部, 教授 (00342105)
上續 宏道 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (40331657)
小宅 理沙 同志社女子大学, 現代社会学部, 助教 (50523536) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 子育て支援 / イスラーム / 保育・教育施設 / 多文化共生 / 保育者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、≪イスラーム法にもとづいて生活する子育て家庭に対する保育者の支援課題と展望≫を明らかにすることである。そのために、2022(令和4)年度は、2021(令和3)年8月から9月に実施した「保育者を目指す者」や「保育者」に対するアンケート調査より、「保育者を目指す者」が学ぶべきこと、また、「保育者」が学ぶべきことについて明らかにするための研究を進めた(本研究での保育者は、保育士・幼稚園教諭・保育教諭のことを指す。以下、保育者と称す。)。その結果、多くの「保育者を目指す者」や「保育者」は、「保育者ができること」を増やしていくには、「イスラーム教徒としての生活を尊重したい」という保護者の思いを理解することが必要であると考えていることが明らかにできた。 また、2022(令和4)年12月末から2023(令和5)年1月初頭にかけて、世界で最もイスラーム教徒人口の多いインドネシア視察を実施した。そこでは、「イスラーム教徒」と「非イスラーム教徒」の共生の現状を理解するために、障害児・者の福祉センター及び社会的養護の施設で働く支援者(この視察では、訪問先に成人の施設も含まれていたので支援者としている。)に対してインタビューを実施した。インタビューより、支援者が、「イスラーム教徒」「非イスラーム教徒」に関係なく、家族と当事者との調整を大切にしていること、家族がいない場合は施設で当事者の暮らしを保障していることを理解することができた。インドネシアでは多文化共生が尊重されていることが理解できた。 以上より、「保育者は多文化共生の重要性についての理解(イスラーム教徒の思いの理解を含む)をさらに深めていく必要がある」と把握できた。このことが、今年度の研究成果であるといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022(令和4)年度は、2021(令和3)年度に実施した「保育者を目指す者」と「保育者」へのアンケートをもとに、「イスラーム法にもとづいて生活する子育て家庭に対する保育者の支援課題」を検討し、「保育者ができること」を増やしていくには「イスラーム教徒としての生活を尊重したい」という保護者の思いを理解することが必要であると明らかにできた。 また、2022(令和4)年12月末から2023(令和5)年1月初頭にかけておよそ一週間のインドネシア視察を実施し、イスラーム教徒と非イスラーム教徒の共生について学ぶことができた。多文化共生について学ぶことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2023(令和5)年度は、≪イスラーム法にもとづいて生活する子育て家庭に対する保育者の支援課題と展望≫のテーマでの研究が5年目を迎えるので、インドネシア視察の報告書をまとめるとともに、これまでの研究成果もまとめ、その中で課題となったことについて把握し、今後の研究につなげようと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは、報告書作成に備えての準備をするためである。2023(令和5)年度は、報告書作成のために使用する予定である。
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