研究課題
親子のコミュニケーションの質的かつ量的な推進には、子ども達自身が自分自身の気持ちや考えを俯瞰することができることが重要である。ICTを利用したアクティブラーニング手法によるコミュニケーション促進を目的として開発したアプリを小児科外来受診中の慢性疾患の中高生に実施した。認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy; CBT)の原理を搭載した開発アプリは、1週間のレッスンパートと1週間のモニタリングパー トから構成され,自分自身を俯瞰する力を獲得することを目的としている。心理教育を主体としたレッスンパートでは、中高生の主人公が自分自身の行動や考えを変えることで感情が変化していくことに気づくストーリーが展開されていく。そしてモニタリングパートでは,被験者がその日に体験した出来事を入力し、その時に発生した考え,感情,行動 を入力する。その出来事が友人に起こった場合にどのようなアドバイスを行うかも入力する。対象者は12歳から18歳の慢性疾患(膠原病、腎疾患、血液疾患、内分泌疾患)で通院中の44名でアプリ実施群と非実施群に分類し、コミュニケーションスキルやセルフモニタリングスキルを4か月の経過で比較実施を行っている。現在アウトカム結果について解析中である。
3: やや遅れている
新型コロナ感染症の影響で、研究開始時期が遅れ、年度内にアウトカムを解析する予定であったが、最終観察時期が年度をまたぐこととなった。
現行のアプリにはレッスンパートとセルフモニタリングパートが搭載されているが、認知行動療法の理念に則り、認知再構成と行動活性化のモジュールをアプリ本体に搭載する必要がある。アウトカム指標を本研究介入中は紙媒体を使用したがコミュニケーションスキルやセルフモニタリングスキルの評価をアプリ内で入力できるシステムを構築する必要がある。またフィードバック機能を搭載することも検討する。
コロナウイルス感染症の影響により学会がすべてWEB開催になったため、出張旅費が不要になったため。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件)
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