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2023 年度 実施状況報告書

幼少期の原体験的自然体験の発達的意味を探る

研究課題

研究課題/領域番号 19K02666
研究機関常葉大学短期大学部

研究代表者

遠藤 知里  常葉大学短期大学部, 保育科, 教授 (90400704)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2025-03-31
キーワード野外教育 / 身体性 / 幼児期 / 保育者養成
研究実績の概要

今年度研究では、1)原体験としての自然体験の源泉としての「自然」についての論究、2)幼児を対象としたキャンプの効果の検証に向けてのデータ整理、を行った。
1)については、まず、力学的事象や物体としての自然物と人間との関係の在り方から、野外教育の源泉としての「自然」について考察した。ユクスキュルが提示した「環世界」という世界観を援用して、「地球・重力」、「太陽・星」、「光・温度」、「水・空気」、「生命」、「時間」について整理した。この試みを通して、体性感覚(触覚、深部感覚)と特殊感覚(視覚、聴覚、平衡覚、嗅覚、味覚)とが組み合わさって体験されることによって、自然環境と自己の身体との間で時間的見通しを含んだ身体的現実が構成されるのではないかという着想を得た。さらには、生物と人間との関係の在り方から、野外教育の源泉としての「自然」について考察した。まず、自然界における根源的な事象、野外教育の源泉としての「自然」、受け取るものとしての「身体」との関係を一覧表として整理した。さらに、それを手がかりとして、野外教育活動場面における生き物と人間の身体との関係創出について、幼児のキャンプでの具体的事例を取り上げて検討した。この試みを通して、幼児の原体験的自然体験の理解に「適応」の観点を導入するという着想に帰結した。
2)については、福富ら(2020)が開発した幼児用自然体験効果測定尺度を1泊2日のキャンプの2週間前と1ヶ月後に実施したところ、3泊4日のキャンプの効果を検証した福富ら(2020)と類似の結果が得られた。
今年度の研究を総括すると、理論的検討と実践の効果検証の両側面の進捗を見たが、実践研究の部分に課題が残った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

1)新型コロナウィルス感染拡大の影響で、研究参加者や研究補助者を計画通りに確保することができず、当初計画の内容を実施することができなかったため。
2)研究代表者の本務において想定外の出来事が多発し、当初予定していたエフォートを維持することが極めて困難であったため。
3)令和5年度は一部の成果を論文化することができ、成果発表に向けて研究を推進できたといえるが、研究の最終段階である実践研究に至ることができなかったため。

今後の研究の推進方策

令和6年度まで研究期間を延長し、実際の野外教育場面でのデータ収集を行う。現時点で、研究計画の修正が完了しており、順調に進捗しているといえる。

次年度使用額が生じた理由

研究進捗の遅れによる。令和6年度に使用予定。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 野外教育の源泉としての「自然」について考えるⅡ;生き物としての適応の観点からみた幼児期の自然体験2024

    • 著者名/発表者名
      遠藤知里
    • 雑誌名

      保育・幼児教育研究年報

      巻: 1 ページ: 95-102

  • [雑誌論文] 野外教育の源泉としての「自然」について考える2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤知里
    • 雑誌名

      常葉大学短期大学部紀要

      巻: 54 ページ: 3-11

  • [学会発表] Camping for young children: The significance of lodging in the outdoors2024

    • 著者名/発表者名
      Chisato Endo
    • 学会等名
      10th International Outdoor Education Research Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 探究力の原点は幼児期の「身体=自然(自然体)」体験2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤知里, 鈴木玲子, 山本由加
    • 学会等名
      日本野外教育学会第26回大会

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公開日: 2024-12-25  

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