研究課題/領域番号 |
19K02668
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
河口 八重子 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (10727605)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 2歳児 / 就学前児童 / 幼児教育 / 食育 / サペレメソッド / 五感 |
研究実績の概要 |
本年度はCOVID-19による影響が大きく、体験型で実施している食育活動が困難な状況があったが、衛生管理を徹底して一部の手法を変更したり1グループが少人数になるよう内容を工夫したりして保育園・幼稚園の協力のもと2歳児に向けた食育プログラムの取組みを41回実施できた。この実践過程において、サペレメソッドによる五感を使った体験学習に、子どもたちが積極的に楽しそうに取り組んでいる点に刺激を受けた保育士等が、日ごろの保育活動にも活かそうとする姿勢が生まれ、47人の保育士等へのアンケートでは約80%が、子どもの表情や仕草をよく観察するようになり、子どもの言葉に以前より耳をかたむけるようになったと回答し、約60%は苦手な食べ物がある子どもに対して以前より声かけや応答を積極的に行う自信がついたと回答した。このように、従来の食育と異なり子どもの感性を重視して、子どもの内発的動機付けを目指すサペレメソッドによる食育の取り組みは、保育園等の関係者にも好影響を与え、保育の質の向上にも貢献する知見が得られつつある。当初、言葉の表現がまだ困難な2歳児への食育は早すぎるという意見も保育者側にあったが、五感を用いたサペレメソッドによる食育を体験した保育士等からは、約95%が「他の保育士(園)にも勧めたい」と評価している。子どもの好き嫌いに関しては、苦手野菜の減少効果を昨年度同様に把握したが、子どもの好き嫌いに関係する各種要因については現在解析中である。 またコロナ禍でのオンラインによるリモート食育プログラムは試験的に実施したが、今後の新しい手法として活用するためには実践例を増やしながら評価手法を確立するなど多くの課題がある。 子どもにとってより良い幼児教育や養育者の負担軽減となる子育て支援への関心が高まる中で、サペレメソッドによる食育は単なる食育を超えて保育全体に貢献する可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19による影響により、外部から保育園・幼稚園に入ってのデータ収集に困難があった。予定通りの食育プログラム実施とともにデータの蓄積についてもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
できる限りのCOVID-19の感染拡大防止策を練りつつ、実践的なデータ収集を行う。実施園は昨年同様を目指す。オンラインやリモートなども取り入れた新しい取り組みも積極的に取り入れていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19での出張および食育活動自粛による。 今後のCOVID-19感染状況を踏まえて対策を十分に講じた活動とし、リモートやオンラインでの食育実践活動の可能性を模索する。
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