研究課題/領域番号 |
19K02671
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
齊藤 千映美 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (20312689)
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研究分担者 |
鵜川 義弘 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 名誉教授 (20232803)
吉村 敏之 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (80261642)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生活科 / 動物飼育 / 生命理解教育 |
研究実績の概要 |
小学校における学校の飼育動物の現状、生活科における活用が行われるようになった経緯を、文献研究により検証し、小学校における実践の事例を観察した。 小学校における家畜動物飼育の教育利用は、動物の飼育が地域で一般的に行われていた明治時代に始まったが、第二次世界大戦後の急速な社会変化に伴い、家畜動物の飼育が地域や学校において衰退していった。鳥インフルエンザの流行、教師の経験不足や多忙により、一旦動物飼育を中断した小学校でそれが再開されることは少ない。現在、生活科における動物の飼育活動は校庭等の小動物などを対象として行われることが多くなっていると考えられる。 小動物の飼育は手軽であり、経費がかからない、繰り返しが容易である、活動終了後の動物の処分(放逐)がしやすいなど、指導する側にとっては好都合な点が多い。課題としては、個体が小さいため飼育自体が個人的な活動に陥りやすいこと、児童の興味関心に任せた飼育活動になりやすく、教師自身の熱意、学びの意欲が伴わない事例が多くみられる点が挙げられるであろう。 家畜動物と身近にふれあう体験がもたらす温かないのちの感覚、そこから芽生える生命への共感と愛着、責任感は、共同的な学習は、身近な小動物の飼育観察では達成しにくい。小動物の観察から生命尊重を学ぶためには、子ども一人ひとりの生命観の違いや発達に着目し、教師自身も関心を持って生き物と子どもが共にくらす学習環境を整えることが必要である。 生活科の「動物の飼育」では対象となる生物種により飼育の方法、学習の進め方などが大きく異なることから、学校として「動物の飼育」をどのように考えるか検討し、経験のない教師の支援を行うべきである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナにより大学における動物飼育活動の体制が整わず、また学校訪問が困難となったため、実践事例の収集に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
地域における実践事例を取材し、デジタル教材として提供可能な資料を収集する。 成果をネット上で配信する。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学の排水設備入れ替えにより、動物飼育の場所がなくなったことにより実際の飼育によるデータ収集の規模を縮小した。またコロナ禍により学校訪問が困難となり、事例収集が難しかった。令和5年度は、学校訪問、飼育学習経験者へのインタビュー調査により不足のデータを補う予定である。
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