研究実績の概要 |
前年度の2020年度は,(1)「主題論」の検討,(2)教科書に提示された発想・構想力の育成方法について教科書研究センター・他での調査,(3)小・中学生の児童・生徒の発想・構想場面の授業ビデオ分析,を計画していた。 (1)及び(2)については,研究実績として,口頭発表(2020)及び,「松原郁二の『A-R型創造』理論と発想・構想論」(日本美術教育研究論集,No.54,2021,研究ノート),『民具・民芸からデザインの未来まで 教育の視点から』(2020),紀要論文「図画工作科における汎用的資質・能力の検討-教科書題材に見る能力観の変化-」(山田一美・ほか,2020)に研究実績を示した。(3)の授業ビデオ分析については,自己編集・相互編集による発想・構想力の実際の行為・発話等を既刊の報告書を資料として扱い,発想・構想力の観点から抽出・再解釈した。 とくに,(3)については,成果発表を2021年度に送り,口頭発表「発想・構想のプラットフォームから自己編集・相互編集へ」(第55回美術教育研究発表会2021,2021.10.17)及び紀要「図画工作科授業における発想・構想力の発動と展開 : 発想・構想のプラットフォームとして機能した【展開6】を中心に」(山田一美 , 大櫃重剛共著,東京学芸大学紀要,芸術・スポーツ科学系,73, 2021年12月,pp177-188,研究ノート「発想・構想のプラットフォームから自己編集・相互編集へ」(山田一美,日本美術教育研究論集55号,2022)として発表した。ただし,坂本小九郎の論文「イメージ体験の座標系を形成する表現」における発想・構想関係の考察成果については,2022年度に発表する計画である。 最後に,発想・構想の学習過程のモデルを,発想・構想のプラットフォーム上で展開する自己編集・相互編集として捉え,その動的様子を整理し,まとめとする。
|