世界的に子どもの溺水事故は絶えず、子どもを守るための対策は急務である。本研究成果は、この課題解決のための一つの礎になる。水泳指導にとって欠かせない二つの方向性(豊かなスポーツライフと自己保全能力)の基礎となる、「安定した呼吸の獲得」の重要性を示したことである。 近年、水泳指導がある泳法で泳ぐという動きの獲得に焦点化しがちであった結果、水泳嫌いなど苦手な児童を産んできた可能性がある。現在、日本における学校水泳は、学校プールの廃止や指導の外部委託等の過渡期を迎えている。どのような形になっても溺水予防は極めて重要かつ重大な内容として継続されなければならない。その中核に何を置くべきか考える視点を得た。
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