社会科学習の具体的内容や知識獲得の過程を図解する事例は多い。図解されるものはプロセスであったり、階層や構造であったり多様である。具体的な教材や発言等に即した図解もあれば、より一般化・普遍化した概念図や構造図もある。 先行研究に自らの問いを重ねて、既存の構造図に観点と要素を追加することで郷土における直接的経験と獲得される知識の関係記述を更新できた。とくに、具体的な経験や教材コンテンツから諸要素・諸要因を抽出する手続きについて緻密に記述すること、要素や概念の間に描かれる線分の太さや矢印の方向性に関して厳密な定義づけを試みることなどによって、既存の構造図の価値を高めることができたと考えている。
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