研究実績の概要 |
本研究は,危機対応マネジメント育成のための社会系教科授業のインストラクショナルデザイン開発を目的とするものである。現在,学校教育におけるカリキュラム編成は,コンテンツ・ベースからコンピテンシー・ベースへと大転換がなされている。身に付けた個別の知識や技能を実生活や実社会で活用できる汎用的能力の育成が求められている。社会系教科では,知識・技能をツールとして使いこなせることが必要である。そのために,学習者の自由度を保ったままで,学習効果をあげるインストラクショナルデザインによって,学校現場に求められている危機管理や安全性という教科横断的な視点としての危機対応マネジメント育成には何が必要なのかを解明する。そのことは,学校現場の教員の授業力向上だけでなく,危機対応マネジメント育成につながる社会系教科教育体系の再構築と今後の教科教育研究を発展させるために,さらなる基盤形成につながるものである。 今年度は,我が国における社会系教科カリキュラム及び授業実践事例を収集しながら,各学校での取組を概査する予定であったが,移動に制限がかかり,思うように実践事例を収集できない状況である。分析については,学校現場と協働で取り組みながら,インストラクショナルデザインを組み込んだ社会系教科授業の基本的なフレームワークを構築す ることに向けて動いている。引き続き,インストラクショナルデザインによる社会系教科授業デザインの開発を行い,学校現場での実践をさらに積み重ねることで,適宜加筆・修正を行っていきたい。
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