研究課題/領域番号 |
19K02693
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研究機関 | 大阪成蹊大学 |
研究代表者 |
橋本 隆公 大阪成蹊大学, 教育学部, 教授 (20736095)
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研究分担者 |
亀岡 正睦 京都文教大学, 臨床心理学部, 教授 (10513781)
太田 誠 東海学園大学, 教育学部, 教授 (20738504)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 幼小接続期 / 源数学 / オーストラリア就学前準備教育Prep / 教科書的な図書 / 小学校0年生の算数 / 数学的な見方・考え方 |
研究実績の概要 |
本研究は,5歳児を対象とした就学前準備教育「小学0学年」を独自に設置し,数学的な見方・考え方に焦点をあてた教科書的な図書「小学校0年生の算数」を創造する研究である.その基盤はオーストラリア就学前準備教育「Prep(Preparatory Year)」制度と「源数学」の理論にある.第1年次は「Prep」の施設や実践の視察を通した教育システムの構築と「源数学」の理論に基づいた数学的な見方・考え方の育成に焦点をあてたカリキュラム研究に取り組んできた.研究成果は以下の通り. ・「幼小接続期における源数学の理論に基づく教科書的な図書「小学校0年生の算数」の 開発Ⅰ」(大阪成蹊大学)・「Prepの現地視察による現状と可能性」(東海学園大学) 第2年次はカリキュラム研究の継続,及び,教科書的な図書「小学校0年生の算数」の開発に取り組んだ.研究成果は以下の通り.・「源数学から見た幼小接続期で育てたい数学的な見方・考え方」・「源数学育成の観点から見たPrep Transition」・「源数学の理論に基づく「小学0年生の算数」の開発の可能性」(日本数学教育学会 第8回春期研究大会論文集)・「源数学の理論に基づく小学校0年生の算数の創造」(日本数学教育学会 第102回全国算数・数学教育研究大会)また,中間報告として,活動案「サイコロ遊び」「玉入れ遊び」「運動会」などを含めた「研究報告書 Vol.1」を作成した.第3年次は教科書的な図書「小学校0年生の算数」の実践を通して,就学前準備教育「小学0学年」における数学的な見方・考え方の育成と,小学校算数科との連続性・一貫性の確保を明らかにする計画であったが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で延期になり,カリキュラム研究の継続,及び,実践に向けて,紙面案の作成とそれに基づく動画開発と同時に,実践関係者向けの解説書の作成に取り組んだ.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
・「源数学」の理論に基づく系統表の作成(2019.4~7)については,「源数学から見た幼小接続期で育てたい数学的な見方・考え方」(日本数学教育学会 第8回春期研究大会論文集)にて,記載済みである.また,Prep視察(2019.8)については,St Gerard Majella Primary とSt Andrew’s Catholic College,及び,Butterflies Early Learning Centreでの施設見学・活動見学・教員とのディスカッションと,現地の教員経験のある数学教育者とのディスカッションに取り組み,「源数学育成の観点から見たPrep Transition」「源数学の理論に基づく「小学0年生の算数」の開発の可能性」(日本数学教育学会 第8回春期研究大会論文集),及び,「Prepの現地視察による現状と可能性」(東海学園大学)にて,記載済みである. ・教科書的な図書「小学校0年生の算数」の作成(2019.9~2020.3)については,COVID-19の影響で実践の見通しがもてない状態の中,再度,検討を重ねた結果,約1年間遅れて(2021.3),活動案「サイコロ遊び」「玉入れ遊び」「運動会」などを「研究報告書 Vol.1」の中で掲載した.さらに,動画によるデジタル化に取り組んだ. ・国内実践(2020.4~2021.3)については,COVID-19の影響で約2年間遅れて(2022.4~2023.3)準備を進める計画である. ・研究発表(2021.8と2022.3)については,日本数学教育学会(第8回春期研究大会),及び,日本数学教育学会(第102回全国算数・数学教育研究大会)で発表済みである.今後,第104回全国算数・数学教育研究大会での発表,及び,研究分担者・研究協力者の所属大学などとの共同フォーラムを開催の予定である.
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の影響で延期になっている,第3年次の教科書的な図書「小学校0年生の算数」の実践に向けて,実践の準備段階を日本数学教育学会(第104回全国算数・数学教育研究大会)で発表し,COVID-19の動向を見極めながら9月以降に協力園での実践に取り組む.その結果について,第1年次に視察した「Prep」の施設に提案を実施する。また,大阪成蹊大学,京都文教大学,東海学園大学,及び,たかはし算数研究所との共同でフォーラムを開催し,提供資料として,実践関係者向けの解説書,及び,「サイコロ遊び」「玉入れ遊び」「運動会」などの実践の結果を含めた最終報告書として「研究報告書 Vol.2」を作成し,参会者に配付する.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で延期になっている,第3年次の教科書的な図書「小学校0年生の算数」の実践に向けて,実践の準備段階を日本数学教育学会(第104回全国算数・数学教育研究大会)で発表し,COVID-19の動向を見極めながら9月以降に協力園での実践に取り組む.その結果について,第1年次に視察した「Prep」の施設に提案を実施する.また,大阪成蹊大学,京都文教大学,東海学園大学,及び,たかはし算数研究所との共同でフォーラムを開催し,提供資料として,実践関係者向けの解説書,及び,「サイコロ遊び」「玉入れ遊び」「運動会」などの実践の結果を含めた最終報告書として「研究報告書 Vol.2」を作成し,参会者に配付する.
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