2023年度は9 月 9 日、10 日に、代表者の本務大学において日本安全教育学会第 24 回奈良大会が開催される。本研究代表者(松井典夫)は当学会大会の 年次学会長兼実行委員長であり、この学会で本研究課題について研究成果を広く発信する目的がある。そこで、カンボジア、プノンペンを訪問して本研究で作成した「有効性」と「持続性」を持つ安全教育プログラムの実践を行い、その有効性と持続性について調査を実施した。 訪問したスラム補習校はプノンペン郊外にあり、小学校1年生から高校生までが幅広く在籍し、英語、日本語、数学などを学んでいる。ここで訪問時にいた児童生徒約20名に2日間にわたってデプスインタビューを実施した。実施に際しては研究趣旨について、通訳を通して話し、現地教員、および施設代表者の賛同を得て実施した。また、プノンペン大学日本語学科の学生25名、送り出し学校の生徒20名、プノンペン郊外の小学校Phnom Penh - Kdei Kandal Villageで30人にインタビューを実施した。これらインタビューは1人あたり10分程度で実施し、トータルでおよそ2000分を要した。記録はテキストデータとして保存し、これからSCAT: Steps for Coding and Theorizationを用いて分析した。 大会には62名の会員、36名の非会員が参加し、盛会に終えることができた。 日本安全教育学会では、「学校安全への教訓を継承し、次代の命へとつなぐ学校危機マネジメント」をテーマに掲げた。これまで積み上げられた、そして進行中の学校・子供の安全における研究や実践を発信、共有することが、次代の子供たちの命に結びつくことを願い、本学会大会は開催された。
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