研究課題/領域番号 |
19K02698
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
高橋 正人 福島大学, 人間発達文化学類, 特任教授 (00809189)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 深い学び / 思考力・表現力 / 国語科教育モデル / 震災時間論 / 教材研究の深化 / テクストの深層 / 問いの持つ意味 / 喪と贈与 |
研究実績の概要 |
2020年度には、次に示す論考及び単著を上梓した。1)髙橋正人(2020)「『ごんぎつね』における〈喪〉と〈贈与〉に関する考察~フランス語訳Le petit renard Gonとの比較及び葬送儀礼を通して~」(『言文』第68号、2021、pp22-35))2)太田孝・髙橋正人(2020) 「芥川龍之介『羅生門』を核とした探究型授業に関する研究~高等学校国語科における言語活動を通した「学び」の質の向上を目指して~」(『福島大学人間発達文化学類学類論集』第32号、2020、pp15-30)3)髙橋正人(2020) 高等学校「古典探究(Advanced Classics)」における探究的な学びの深化に関する研究~「若紫」における視線・顔認識・フランス語訳・映像テクストをめぐって~(『福島大学人間発達文化学類学類論集』第32号、2020、pp55-70)4)髙橋正人(2020)「「文学国語」におけるマンガ教材の開発に関する研究~永島慎二『漫画家残酷物語』及び『黄色い涙』をめぐって~」(『福島大学人間発達文化学類学類論集』第31号、2020、pp39-54)5)髙橋正人(2020)『文学はいかに思考力と表現力を深化させるか―福島からの国語科教育モデルと震災時間論』(コールサック社) また、2020年12月12日に、福島大学国語教育文化学会後期大会において、「国語科教材論」~『ごんぎつね』から『東京物語』へ~」とのタイトルで口頭発表を行うとともに、FTVカルチャーセンターにおける公開講座「大人のための『ごんぎつね』講座」を2021年3月24日に福島市で実施し、『ごんぎつね』をめぐる探究を行った。併せて、2021年4月3日に、「3・11から10年、震災・原発文学は命と寄り添えたか」とのテーマで行われた「福島浜通りの震災・原発文学フォーラム」にパネリストとして参加した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初からの研究成果について、『文学はいかに思考力と表現力を深化させるか』(コールサック社刊)において単著として取りまとめるとともに、論考において研究の成果を発表することができた。併せて、研究の成果の一端をFTVカルチャーセンターの公開講座及び東日本大震災発災10年の節目に公開シンポジウムの中で取り上げることができた。今後とも研究の成果を内外に発信することを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
新学習指導要領の改訂が具体化する中、高等学校国語科における思考力・判断力・表現力の重要性はさらに重要性を増すものと思われることから、2021年度においては、単著『文学はいかに思考力と表現力を深化させるか』において分析した内容を具体的な指導メソッドとして提示することができるかが問われる。その一つの提案として、小学校教科書教材である『ごんぎつね』を高校生とともに再読する場面を想定したテクストを作成することにより、深い学びの実現につなげていく予定である。
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