研究課題/領域番号 |
19K02701
|
研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
倉持 清美 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (30313282)
|
研究分担者 |
妹尾 理子 文教大学, 教育学部, 教授 (20405096)
望月 一枝 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (60431615)
佐瀬 茜 (叶内茜) 川村学園女子大学, 生活創造学部, 講師 (80849092)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 家庭科 / 保育学習 / ふれあい体験 / 児童虐待 |
研究実績の概要 |
2021年度も、コロナ禍の影響で、ふれあい体験を実施ている学校が少なく、授業観察はできなかった。オンラインで、幼児と会話する授業を展開している家庭科の授業については、生徒のワークシートを分析し、学会で発表する予定である。実際のふれあい体験との相違について、本研究の目的である「関わり方」の側面からも検討する予定である。 また、小学校の家庭科の授業での、1年生との交流授業について、コロナ禍以前に収集したデータを分析して、論文にまとめた。1年生と6年生が家庭科の授業で一緒に調理活動を行う交流授業であったが、事前授業での工夫により、6年生児童に関わり方の工夫がみられ、一年生に対する肯定的理解も引き出すことができた。特別活動ではなく、家庭科の授業の中で実施するからこそ実現する関わり方の特徴と、得られる学びについてまとめた。 家庭科の触れ合い体験を実施するために、子育て支援行政と連携していく方法についてもまとめた。積極的に連携している自治体へのヒアリング調査から、家庭科教員だけの負担で実現していくのではなく、学校外の様々な組織と連携しながら実現していく方法について提示することができた。このように、学外の組織と連携して家庭科のふれあい体験を実現させていくことが、「開かれた学校」を作っていくことにもつながることを示唆した。 児童虐待の予防につながるような家庭科の授業の可能性について、子育て支援にかかわる施設へのヒアリングや、児童相談所への質問紙調査を実施した。調査結果からは、乳幼児への理解や関わり方、子どもの権利などを学ぶことや、生活全般について知識や技能を身に付けられる家庭科の授業への期待があることがわかった。家庭科の授業で実際に行っていることが、虐待の予防にもつながる内容であることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、ふれあい体験が実施できない学校が多い。また、学外者が、学校を訪問するのも困難な状況である。そのような中で、児童生徒のふれあい体験の様子を観察しながら、関わり方の評価項目を作成することはできていないため、「やや遅れている」という判断をした。。 「関わり方の評価項目」作成は困難であるが、家庭科保育学習でで、どのようなことを学ぶ必要があるのかを児童虐待予防の観点から検討している。
|
今後の研究の推進方策 |
ふれあい体験から、関わり方に関する評価項目を作成することはコロナ禍の中で困難だったため、児童虐待予防の観点から、保育学習を検討することとした。コロナ禍で家にいることが増えた結果、児童虐待も増えているという。こうした状況を踏まえても、保育学習を児童虐待予防の観点で捉えなおすことは急務と考えた。これまでに実施した家庭科教員への調査や収集したデータ、公刊されている教育実践から、保育学習の課題を見出し、どのような保育学習がこれから必要になるのか、そのためにどのような教材などを使用すればよいのかを検討し、ガイドブックとしてまとめてくことを計画している。 また、児童虐待予防につながるような授業実践についても検討して、施行し、その効果についても検討する。児童生徒の様々な状況に配慮しながら、家庭科で教えられることは何なのか、特に「関わり方」については、触れ合う以外の方法で学べる可能性はあるのかについても、検討していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で、学会がオンラインとなり旅費が必要なくなったこと、授業観察に行けないため、ビデオなどの機器が必要なくなったため、購入はしなかった。本年度は、ガイドブック作成にかかわる費用や、授業観察ができる可能性があるため、機器の購入を検討する。
|