研究課題/領域番号 |
19K02707
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中村 和世 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20363004)
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研究分担者 |
井上 弥 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 名誉教授 (10201336)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国際協働 / 異文化間教育 / 地球市民 / 異文化感受性 / オンライン授業 |
研究実績の概要 |
(1)コロナ禍により、日米の研究協力校が休校を繰り返す事態が生じたため、国際協働の再開に向けてオンラインによる新しい手法を試行した。具体的には、研究協力校10校とともに、インターネットによる3D国際児童画展を企画し、KunstMatrixを通してIntercultural Eye for Art: Indiana Hiroshima Student Art Exchange For Becoming a Global Citizenをテーマにした展示会を、2021年10月21日から2022年1月16日まで開催し、コロナ禍状況に対応する授業開発につなげた。 (2)米国ペンシルバニア州にあるバーンズ財団の協力により、ジョン・デューイとアルバート・バーンズが推進した地球市民の観点からの美術教育のアーカイブ調査をオンラインにて実施した。その研究成果を、論文「海外美術教育史の研究手法と実際」(美術科教育学会・美術教育学叢書第3号『美術教育学 私の研究技法』に掲載)、“Revisiting Barnes and Dewey’s Progressive Vision: An International Perspective”(バーンズ財団の企画によるバーンズ財団創設100周年記念論集The Barnes at 100: Dialogues on Education, Installation, and Social Justice(仮題)に掲載予定)にまとめた。 (3)文献調査を通して整理した異文化間カリキュラム開発の理論的基盤を論文「デューイの民主主義による芸術教育論とその再評価」(行安茂編『デューイの思想形成と経験の成長過程』北樹出版に掲載)や、「造形科における『自ら成長する力』の育成―進歩主義教育の現在」(雑誌『学校教育』2021年11号に掲載)としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)コロナ禍状況が継続し、海外渡航などが禁止され、計画していた米国美術教育学会など国際学会での口頭発表や海外研究者招聘が実施できていない。 (2)コロナ禍状況の継続で、日米の研究協力校が休校を繰り返し、開発中の異文化間カリキュラムの効果検証が予定通り進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
(1)これまでの研究調査から示された異文化共感性を向上させる学習指導やカリキュラム編成の原理の汎用性を高める実践研究を研究協力者とともに実施する。 (2)海外研究者招聘の代替措置として翌年度に講演ビデオを製作し、これを用いた国際研究集会を計画する。 (3)インターネットによる3Dオンライン国際児童画展の開催などオンライン活用によって米国の研究協力者と協働開発の継続を図る。 (4)研究成果を整理し、ウェブページの拡充や著書や論文等による発表をさらに進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の継続により、計画していた異文化間カリキュラム開発の継続が困難となるほか、国際学会での口頭発表のための渡航や、海外研究者招聘が不可能となり、助成金を繰り越している。代替措置として、翌年度に、海外研究者の講演ビデオ製作などを実施し、これを活用した国際研究集会を計画している。また、オンラインによる国際児童画展など新しい手法によって異文化間カリキュラム開発を継続することを予定している。請求した助成金は、これらに関わる経費にあてるほか、研究成果発表の出版費やウェブページの拡充に使用する。
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備考 |
オンライン国際児童画展カタログ “INTERCULTURAL EYE FOR ART: INDIANA HIROSHIMA STUDENT ART EXCHANGE FOR BECOMING A GLOBAL CITIZEN”
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