研究課題
ESD(持続可能な開発のための教育)の観点はさまざまな教科で盛り込まれているが、特にグローバルな視点の学習は子どもにとって自分とのつながりを実感しにくい。一方、動物園は子どもにとって親しみのある場所であり、絶滅の危機にある野生動物はESDの題材としての可能性を秘めていると考える。そこで本研究では日本モンキーセンター(以下JMC)で培ってきた博学連携の土壌や研究者とのネットワークを活かし、教員のニーズ調査や先行事例調査を経て保全教育プログラムおよび教材の開発とその評価をおこない、得られた知見を動物園における保全教育ならびにESDを意識した教育の発展に役立てることを目的とした。具体的には以下の4つの調査を進めた。①「教員を対象としたニーズ調査」は引き続き実施し、2022年度JMCに来園した約100校の教職員を対象にニーズやアイデアを収集した。2022年度分は現在回収中だが、本研究期間中の4年間にニーズを持つ教員が増えた印象がある。②「動物園内外の先行事例調査」は2022年度、野生ニホンザルを教材とした博学連携の実績がある大分県の高崎山自然動物園と宮崎県の京都大学野生動物研究センター幸島観察所を訪問し、事例調査および教材用動画作成をおこなった。③「専門家を誘致しての実践」は2022年度、研究者を招いたモンキー日曜サロンを4回実施した。3/19のモンキー日曜サロンでは猿害問題と保全を取り上げ、講義に加え電気柵設置体験をおこない、教材となる展示を園内に設置した。研究期間全体を通して研究者、保全教育団体、海外霊長類生息地のガイドなど多様な専門家とともに保全教育プログラムを共同開発し実践した。④「保全教育プログラムおよび教材の開発とその評価」は2022年度、地元小学校と連携して6年生の総合学習に取り組み、質的評価をおこなった。調査期間全体を通して得た知見を学会、研究会等で発表した。
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霊長類研究
巻: 38 ページ: 99-109
10.2354/psj.38.019
https://www.j-monkey.jp/education/index.html
https://www.j-monkey.jp/primate_enc/