研究課題/領域番号 |
19K02723
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
上原 秀一 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (70515965)
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研究分担者 |
大津 尚志 武庫川女子大学, 学校教育センター, 講師 (40398722)
坂倉 裕治 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60318681)
立花 有希 宇都宮大学, 国際学部, 講師 (60736198)
和井内 良樹 宇都宮大学, 教育学研究科, 准教授 (10752181)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 道徳の教科化 / 日仏比較 / フランス / 道徳教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、我が国の小中学校における「道徳の教科化」の特徴を、フランスとの比較によって明らかにしようとするものである。 近年、フランスでも「道徳の教科化」が行われている。すなわち、2015年度から新たに「道徳・公民科(enseignement moral et civique)」の授業が小中高校の全学年で実施されているのである。このため、フランスは、我が国との比較研究の対象国として適切である。フランスにおける「道徳の教科化」の現状と課題を具体的に調査し、我が国の特徴を明らかにしたい。そのために、本国と同じカリキュラムで教育が行われている在日フランス人学校における授業の実施状況を観察することを中心に研究を進めている。 研究2年目の2020年度は、我が国では小中学校における「特別の教科 道徳」が実施されて2年目に当たる。また、高校では「公民」科に「公共」必履修科目「公共」を新設する新学習指導要領に基づき、「公共」の教科書検定が行われた年である。フランスでは、「道徳・公民科」実施年度の2015年度に小学校に入学した児童が中学校に進学した年に当たる。 今年度は、我が国における「道徳の教科化」について、前年度に続いて栃木県内の小中学校における授業参観を通じて、教科化以前からの変化を把握するための調査を実施した。その成果を活用して、数編の論文等を発表した。 一方、フランスにおける「道徳の教科化」については、東京都内にある在日フランス人学校を訪問する計画であったが、コロナウイルス感染症の拡大のため中止とせざるを得なかった。また、予定していたフランス・ドイツの現地調査は、次年度以降に延期することとした。このため、今年度は文献調査のみを行うこととなった。前年度に行った調査結果も活用しながら、数編の論文等を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染症の拡大のため、在日フランス人学校の訪問調査を中止せざるを得なかった。また、同じく、フランス・ドイツの現地調査を延期せざるを得なかった。一方、我が国における道徳科の授業研究には一定の進展が見られた。また、文献調査にも一定の進展が見られた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本研究の最終年度に当たるが、コロナウイルス感染症の拡大のため、計画の大幅な見直しが必要となる。コロナ収束までの間、文献調査を継続して進展させる。また、オンラインを用いた関係者との意見交換の可能性を探る。1年間の研究期間延期を含めて検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
フランス・ドイツの現地調査を予定していたが、コロナウイルス感染症の拡大により実施出来なかったため次年度使用額が生じた。感染症の収束を待って実施する計画である。
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