研究課題/領域番号 |
19K02726
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
小池 研二 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90528382)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国際バカロレア / IBATL / 中学校美術 / 知の理論(TOK) / 美術館による市民教育 |
研究実績の概要 |
本研究は国際バカロレア(以下IB)を理論的,実践的に調査研究し,その趣旨や特徴を新学習指導要領に則った日本の中学校の美術教育に応用し,構成主義的な学習から教育的効果を高めるものである。新型コロナ感染拡大等により成果は限定的であった。研究は①中等教育課程(MYP)の美術教育を中心にIBのカリキュラムの有効性を一層明らかにすること。②IBの美術教育を日本の美術教育に応用すること。③小中高連携,教科横断型の学びについてIBの視点で調査すること。IBディプロマの科目であるTOKについても調査すること。④IBのカリキュラムを知るためにフィンランド,カナダ等の学習を調査すること,⑤社会とつながる美術として美術館等の社会教育についてIBの視点から調査すること,の5つからなる。①についてはIBの公式ガイド等の文献調査,IBコンソーシアムの参加等を行った。海外のIB認定校調査については,ドイツのIB認定校とeメールによる連絡を行った。国内のIB校調査については,高知県の高等学校,千葉県の私立学校等に授業参観,訪問調査を行うことができた。神奈川県の高校で行われたTOKの発表会にも参加することができた。②に関しては附属学校での調査を継続した。③については附属学校での調査を行ったが,小学校での調査を開始して小中連携について調査を開始した。TOKについては実施校へのインタビュー等を行った。④については調査を継続した。⑤についてはドイツの美術館へのeメールでの連絡をした。横浜美術館と市民教育の連携調査については継続して行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染拡大等により成果は限定的であった。海外のIB校調査については,新型コロナにより実施できなかった。eメールによる連絡等限定的な内容にとどまったが関係は継続することができ,今後へつなげることができた。附属学校での研究については,入校制限,カリキュラムの変更等あり厳しい面があり,研究が十分できない面があった。文献調査については,限定的であるが継続して実施した。以上により研究を十分まとめることができず,1年間研究を延長した。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的を達成するため以下のことを実施する①附属中学校を中心にしたIBを応用した美術教育について探究的な学び主体的な学びについて調査を行う。新型コロナ感染拡大等で実施が遅れた生徒へのインタビュー,アンケートを実施してIBの美術教育を生かした学びについてまとめる。②海外のIB実施校への現地調査を行う。ドイツのいんたーなしょうなるスクールを考えている。IB認定校の最新事情を調査し日本の美術教育へどのように応用することが可能化について考えをまとめる。③国内のIB認定校調査を行う。④知ることは何かという問いを重視するIBディプロマの科目であるTOKの調査を継続し問いのある美術教育について考える。⑤国内外の美術館による教育についてIBの視点から調査を継続する。新型コロナ感染が再度拡大する等研究が困難な場合は,限定的なところで成果をまとめ,学会発表,報告書の作成等可能な範囲で発表し成果を社会に還元する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染拡大等により当初予定していた国内外のIB認定校の調査ができず当初予定していた旅費を執行することができなかったため。今年度新型コロナ感染等が落ち着けば調査を行い旅費として執行する。最終年度となり報告書を作成し印刷費として使用する。
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