研究課題/領域番号 |
19K02733
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
阪東 哲也 鳴門教育大学, 情報基盤センター, 研究員 (50802998)
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研究分担者 |
森山 潤 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (40303482)
掛川 淳一 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (90403310)
世良 啓太 奈良教育大学, 技術教育講座, 講師 (30802243)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 小学校 / プログラミング教育 / 情報の科学的な理解 / 情報セキュリティ |
研究実績の概要 |
近年,問題を解決するために情報技術を適切に活用するための情報セキュリティの重要性は極めて高い。情報セキュリティ人材,専門性に加えて情報セキュリティに造詣の深い人材,いわゆる橋渡し人材の育成は喫緊の課題である。2020年度から本格実施される小学校プログラミング教育においては情報技術を適切に評価・選択・活用できる資質・能力,情報の科学的な理解の育成に高い期待が寄せられている。本研究では情報の科学的な理解の側面から情報セキュリティ育成につながる小学校プログラミング教育実践の開発を行い,小学校で展開するための研修プログラムを構築することを目的とした。 令和2年度では,情報通信技術の仕組みを体験できるプログラミングを取り入れた学習活動開発に向けた基礎的知見を得るための意識調査の詳細な分析と,分析結果に基づく教材開発・試行的実践を行なった。情報セキュリティ対策への意識に対して,ICTの仕組み,セキュリティ,情報セキュリティ脅威に関する知識が影響することを明らかにした。情報セキュリティに対する意識を高めるために,小学校段階からICTに関する基礎的な知識の習得を目指す学習に取り組むことの重要性が指摘できる。この観点に基づき,ビジュアル型プログラミング言語Scratchを用いたマルウェアに関する情報の科学的な理解を育成することを目指した小学生を対象とした試行的授業を構築し,教育効果を検証した。その結果,プログラミングを取り入れた擬似体験に取り組むことで,情報の科学的な理解を促進することが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
情報セキュリティに関する意識に与える要因として,ICTに関する知識の要素を抽出し,その上で小学生を対象とした授業実践を終えることができた。すでに試行的実践を普及するための講習は実践しており,その効果を検証する段階まで進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
情報の科学的な理解育成の視点から,プログラミングを取り入れた小学生を対象とした情報セキュリティに対する意識を高める授業実践の開発を進める。授業実践の効果検証のために,アンケート調査以外の手法を取り入れた教育効果の測定方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の対応のため,学会の現地開催がなくなり,当初予定していた国内・国外学会への参加費が不要になった。 開発した教材評価につながる測定具を購入する予定である。
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