本研究は、地域の様々な環境やリソースを有機的に結び付け、互いの連携や協働を喚起し、学びの場における質の高いESDの学習プログラムについて支援、供給できるプラットフォーム的機能を有した「愛大・ESDラボ」を設置し、カリキュラム開発や実践・分析、情報提供などが行えるようにして、その有用性を明らかにすることを目的として実施した。 本研究をでは初年度から、地域にある教育資源や愛媛・四国を中心にそれぞれの立場や環境で実践していたESDの取組を集約し、更に質の高い学習プログラムを開発・実践していくために、定期的に研修会や最新の知見を学び合う勉強会などを開催したり、幼小中高等学校で実施されている総合的な学習(探究)の時間やESDについてその事例を持ち寄って、課題を克服しつつ、汎用的な教材としてブラッシュアップしていくための研究や協議を行ったりしながら、広くその成果を発信することができた。 2年目には、地元自治体と共同で、地域版の「SDGsハンドブック」を作成し、市内全小中学校に配付されて活用されるなど、ESD/SDGsの普及促進に大きく貢献することができた。 最終年度の令和3年度には、ハンドブックの更なる活用を目指した授業開発や支援などを行ったり、実践事例をまとめて、多くの人に活用してもらえるように設定したりすることができた。当初の目的であった大学がプラットフォーム的役割を果たし、質の高いESDの実践を学校現場に広く浸透させていくということに一定の成果を挙げることができたともに、「自己変容と社会変容を促す学び」についてもESD/SDGsを踏まえた学習が貢献できることを示すことができた。 一方で、コロナ禍の影響も受け、ESDや総合的な学習の時間の実施状況や課題調査については、十分な調査を行うことができず、今後の課題として残ることとなったため、続く研究においての継続課題にしている。
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