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2021 年度 実施状況報告書

高等学校理科の生物基礎における実施率を向上させるための簡易免疫実験の提案

研究課題

研究課題/領域番号 19K02742
研究機関皇學館大学

研究代表者

中松 豊  皇學館大学, 教育学部, 教授 (00456617)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード食作用 / 教材開発 / 昆虫 / 血球 / 高等学校 / 生物基礎 / アワヨトウ / 蛍光インク
研究実績の概要

令和3年度は以下の結果を得た。令和元年度に開発した「昆虫の血球を使った食作用の観察・実験」において、令和元年度および2年度に授業実践を行った高等学校で計6校31時間に及ぶ授業実践を行い、生徒にアンケートをとったところ、88%の生徒がアワヨトウ幼虫の血球が異物としての墨粒に対し、食作用している様子を観察することができたと答えた。しかしそのうち4割の生徒は自分で見つけることができたが、6割の生徒は先生やアシスタントの学生の補助が必要であったという結果を得た。これに対し異物を墨粒から蛍光インクに変更し、顕微鏡上の試料にUVライトを照射して観察・実験を行う新しい教材を開発し、令和3年度は実際に高等学校において授業実施を行った。実験の条件は市販の蛍光インクを使用し、濃度は2mg/ml 0.9%生理食塩水、反応時間は15分で澤と中松(2014)のin vitro法を用いて行った。また、蛍光像の観察については市販のUVライトを顕微鏡に設置し、暗幕を引いた室内で実験を行った(奥村ら,2021)。
その結果96%の生徒が異物である蛍光インクに対し、血球が食作用している様子を観察することができたと答えた。さらに9割の生徒は自分で見つけることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナウイルス蔓延防止対応の結果、出前授業による授業実践が制限されたため、蛍光インクを異物として用いた新しい教材の評価を十分に得ることができなかった。
また、界面活性剤であるtween20を使った無固定観察技術(Takaku et. al.2013)を用いて、血球の形態観察を走査型電子顕微鏡を用いる研究において、血球が小さいため、tween20では血球をコーティングする皮膜が厚すぎるため、食作用を行っている血球の輪郭を電子顕微鏡でとらえることができなかった。
特に後者の実験がほぼ膠着状態に入ってしまったため、令和3年度計画の進捗状況がやや遅れてしまった。

今後の研究の推進方策

令和4年度の目標は令和3年度で到達できなかった以下の2つの課題について検討を行う。
1)新しく開発した蛍光インクを異物として使った昆虫の血球による食作用の観察の授業実践を行い、アンケートを実施して教材として適しているかを問う評価を行う。-(中松、澤担当)
2)無固定観察技術を使った昆虫の血球表面を被う薄膜について検討を行う。この研究についてはかなり高度な技術を要するので、引き続き研究協力者の名古屋 大学の大井氏とともに検討する。-(中松、澤、大井担当)

次年度使用額が生じた理由

現在の進捗状況で述べた理由により、蛍光インクを異物として使った昆虫の血球による食作用の観察の授業実践と無固定技術による血球の食作用の観察の教材開発が進まなかったため、次年度使用額が発生した。 令和4年度は、新型コロナウイルスの影響の如何によるが、上記の金額を使用して教材開発および授業実践による教材の適否を確かめていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 異物として用いた昆虫の血球による食作用の観察2021

    • 著者名/発表者名
      1.奥村雄暉・長嶋志帆・畑野健・川端あづさ・澤友美・中松豊
    • 雑誌名

      生物教育

      巻: 62 ページ: 122-127

    • DOI

      10.24718/jjbe.62.3_122

    • 査読あり
  • [学会発表] 蛍光インクを異物として用いた昆虫の血球を使った食作用の 観察・実験における授業実践2022

    • 著者名/発表者名
      奥村雄暉, 澤友美, 中松豊
    • 学会等名
      日本生物教育学会
  • [学会発表] 専門的視点から創る生きた教材と連携2022

    • 著者名/発表者名
      澤友美
    • 学会等名
      日本生物教育学会
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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