| 研究課題/領域番号 |
19K02742
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| 研究機関 | 皇學館大学 |
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研究代表者 |
中松 豊 皇學館大学, 教育学部, 教授 (00456617)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 食作用 / 教材開発 / 昆虫 / 血球 / 高等学校 / 生物基礎 / アワヨトウ / 蛍光インク |
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| 研究実績の概要 |
令和４年度は以下の結果を得た。令和元年度に開発した「昆虫の血球を使った食作用の観察・実験」の高等学校生物基礎における授業実践について、令和３年度は新型コロナウイルス感染症に伴い実施が制限されたが、令和4年度は規制の緩和により実施規模が若干拡大した。そのため令和４年度は三重県内の高等学校３校12クラスに対して授業を実践し、その内10クラスは新たに開発した蛍光インクとUVライトを用いた簡易蛍光観察を行った（奥村ら、2021）。異物を墨粒から蛍光インクに変更したことで、生徒が自分自身で食作用を示した血球を見つけることが容易になった。また、授業実践は現場の高等学校教員と連携して当研究室で開発した大学生とのティームティーチング方式(以下TT方式)で実施している。この方式は現場の教員もしくは大学生が授業を行い、生徒が実験を行う際にそれぞれを大学生が実験指導・補助する形式である。高校生、教員および大学生に対するアンケート調査の結果から、高校生の学習意欲の向上、教員の授業中の負担軽減、更に大学生は自身の教育指導技術向上に繋がる経験となり、このTT方式は三者にメリットをもたらすことも示された。研究成果は日本理科教育学会第67回東海支部会、日本生物教育学会第107回全国大会、南アフリカ共和国のノースウェスト大学（NWU）にて発表および講義を行った。特に、日本生物教育学会では蛍光インクを用いた簡易蛍光観察のワークショップを行い、参加した高等学校教員に体験してもらう機会を得た。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和４年度も新型コロナウイルス蔓延防止対応の結果、出前授業による授業実践が制限されたが、前述の通り三重県内の高等学校３校で出前授業を実施することができたため、蛍光インクを異物として用いた新しい教材に対する高い評価を得ることができた。
しかし界面活性剤を用いての無固定観察技術(Takaku et. al.2013)を用いて、血球の形態観察および食作用の瞬間を捉える走査型電子顕微鏡を用いた教材開発については、血球が小さいため、やはり当初使用予定のtween20では、血球をうまくコーティングできず、食作用を行っている血球を電子顕微鏡でとらえることができなかった。
特に後者の実験は改めて実験計画から見直し、再度実験する必要があると考えられる。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和５年度の目標は令和４年度で到達できなかった以下の２つの課題について検討を行う。
1）新しく開発した蛍光インクを異物として使った昆虫の血球による食作用の観察の授業実践をさらに行い、より多くのアンケート結果から教材として適正性を問う予定である。－（中松、澤担当）
２）無固定観察技術を使った昆虫の血球表面を被う薄膜について検討を行う。この研究についてはかなり高度な技術を要するので、引き続き研究協力者の名古屋大学の大井氏とともに検討する。－（中松、澤、大井担当）
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| 次年度使用額が生じた理由 |
現在の進捗状況で述べた理由により、蛍光インクを異物として使った昆虫の血球による食作用の観察の授業実践と無固定技術による血球の食作用の観察の教材開発が進まなかったため、次年度使用額が発生した。 令和５年度は、新型コロナウイルスの影響の如何によるが、上記の金額を使用して教材開発および授業実践による教材の適否を確かめていく予定である。
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| 備考 |
今回得た成果および教育方法（チームティーチング）について、南アフリカ共和国のノースウエスト大学の学部および大学院学生（計3回）並びに大学教員と現職の教員研修会で講義および発表を行った。
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