令和5年度は以下の結果を得た。2014年に開発した「50分でできる昆虫の血球の食作用の観察」、2021に開発された「蛍光インクを異物として用いた昆虫の血球による食作用の観察 」の高等学校生物基礎における授業実践について、令和3年までは新型コロナウイルスにより活動が制限されたが、令和4年に再開され高等学校3校12クラスで行われた。令和5年度は3校11クラスで行われアンケートを実施した。また、授業実践は現場の高等学校教員と連携して、当研究室の大学生とのティームティーチング方式(以下TT方式)で実施された。高校生、教員および大学生に対するアンケート調査の結果から、高校生においては、2014年から2021年度にかけて異物を墨粒から蛍光インクに変更し、自分自身で食作用した血球が見つけることができるようになり、この観察・実験結果の評価が向上した。このことから、学習意欲および探求活動への意識向上につながり、教員の授業負担の軽減による生徒指導および授業内容の充実、更に大学生は自身の教育指導技術向上に繋がる経験を得ることができたことがわかり、墨粒を異物として行ったin vivoおよびin vitroによる血球の食作用の観察・実験から蛍光インクを異物として行ったin vitroの観察・実験の出前授業に変わったことによりある一定の評価を受けたと同時に、TT方式の出前授業による三者へのメリットも改めて示された。これらの研究成果は日本生物教育学会第108回全国大会で発表された。
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