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2021 年度 実施状況報告書

中学生の自己肯定感を高める音痴克服のための歌唱指導教材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K02749
研究機関文教大学

研究代表者

小畑 千尋  文教大学, 教育学部, 教授 (20364698)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード音痴克服 / 中学生 / 自己肯定感 / 歌唱指導 / 内的フィードバック / 縦断的研究
研究実績の概要

本研究の目的は、歌唱における生徒自身の内的フィードバック能力向上と生徒の心理面に着目し、中学生の自己肯定感を高める音痴克服のための歌唱指導教材の開発を行うことである。
研究3年目の本年度はまず、2021年10月に研究協力校であるB中学校において、中学1年次から縦断的調査を実施している中学3年生約160名を対象に、4回目の音痴意識に関する質問紙調査、及び歌唱技能についての調査を実施した。
質問紙調査は昨年度と同様にGoogle Formsを用いて、各自のタブレットから回答する方法を用いた。個別の歌唱調査に関しても、新型コロナウイルス感染予防対策のため、調査者、参加者共にマスクの着用、各自の調査前後の消毒、常時換気、飛沫防止用のビニールシートの設置などを行った上で、慎重に行った。
また、2016年に研究協力校A中学校の2年生120名を対象に実施した調査結果について、自分自身の音痴意識と音高・音程を合わせて歌う際の基礎技能である声によるピッチマッチ,内的フィードバックとの関連について、特に性別による差異に着目した分析を行った。その結果、男子は音痴意識と声によるピッチマッチにおいて,女子は音痴意識と内的フィードバックにおいて有意差がみられることが明らかとなった。それらの研究成果は、国際学会(The 13th Asia-Pacific Symposium for Music Education Research)で口頭発表を行い、国内外の研究者と意見交換を行った。さらにそこで得られた知見を踏まえて、論文「中学生の歌唱における『音痴』意識と歌唱技能との関連:性別による分析を中心として」をまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に引き続きコロナ禍での調査実施となったが、感染者数が比較的減少している時期に、研究協力校B中学校の協力を得て、実施方法を十分考慮した上で、中学生を対象とした歌唱の縦断的調査(第4回)を実施することができた。
また、音痴意識と歌唱技能との関連を分析し、その結果を国際学会での口頭発表、及び論文として公表することができた。
以上の理由から、本研究がおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

2019年度から3年間(計4回)実施した中学生を対象に行った歌唱技能、音痴意識を中心とした歌唱に関する意識の縦断的調査について、経年的分析を行う。さらにその分析結果を基に、指導法を開発し、感染症対策に十分留意しながら、中学校に於いて効果検証を行い、実際に運用できる実践モデルを完成させる。

次年度使用額が生じた理由

理由:発表予定であった国際学会がオンラインとなったこと、コロナ禍において調査実施回数を減らさざるを得なくなったこと、また打ち合わせ等もオンラインに切り替え、旅費の支出が相当減ったことによる。
使用計画:3年間の調査期間のうち2年間がコロナ禍と重なり、第3回、第4回の調査は、中学校における歌唱活動が大幅に制限されている中での実施となった。これらの影響についても考慮しながら、より精緻な分析を行う必要がある。さらに本申請者の所属大学変更に伴い、研究協力校における調査に交通費が必要となったため、令和3年度に生じた次年度使用額をこれらの費用に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 中学生の歌唱における「音痴」意識と歌唱技能との関連: 性別による分析を中心として2021

    • 著者名/発表者名
      小畑千尋
    • 雑誌名

      文教大学教育学部紀要

      巻: 55 ページ: 123-131

  • [学会発表] Relationship between Inferiority Awareness "Onchi" and Singing Skills of Japanese Junior High School Students2021

    • 著者名/発表者名
      Chihiro OBATA
    • 学会等名
      The 13th Asia-Pacific Symposium on Music Education Research
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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