本年度の研究課題は、1)前年度からの継続課題である投入量過多コンポストにおける野草添加効果の確認、2)生物検定法の開発、また3)コンポスト化学習の実践によりその教育効果を定性的に検証することと実践上の課題を抽出することの3点である。 1)投入量過多コンポストについて、従来同様の発酵不良を確認するとともに、野草を一定量添加することで腐熟度の促進および栽培時の多量施用による生育阻害軽減効果を確認した。 2)生物検定法の開発について、前年度に引き続き分析用コンポスト試料と化学分析データを蓄積し、栽培実験を実施した。化学分析については、一部未分析であるものの概ね発酵の分解過程をとらえることができた。栽培試験による評価では、検定植物を一部変更するアイデアを加えて栽培実験を実施し、栽培開始2週間目の成長指標と収量指標との間に一定程度の相関を認めた。それらの結果より、簡易検定法の可能性を見いだすことができた。今後の課題として、検定法の適用条件を明らかにする必要がある。 3)コンポスト化学習の実践について、S小学校2クラスにおいて実践し、児童のワークシート分析及び教師へのアンケート調査により、各種教育効果について分析、評価した。その結果、生ごみに対する児童の意識の変容および資源化に対する児童の理解の深まりを確認するとともに、問題解決力やコミュニケーション力といった各種汎用的スキルを育成しやすい場面について明らかにした。
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