本年度の研究課題は、コンポストの未分析成分の分析、全実験データの集計と各種データの相関分析による検定法の開発、子ども用と教師用Webサイトのプロトタイプの構築、総まとめとして、子ども主体・教科横断的な物質循環学習教材の提案である。各種、研究課題は概ね達成しており、教材として公表するためのWebサイトは構築済みでである。 以下、研究期間全体の4課題について記す。1)悪臭発生予防技術の開発(子ども主体の管理による一大失敗要因)と夏休みの管理作業の省力化(教師の負担軽減)については、ゲットウや野草の混合による防止策や太陽熱利用方法を確立し、夏休みの教師の管理作業は省略可能であることを明らかにした。2)小学生でもできるコンポストの簡易評価法の開発(専門家の勘の代替)については、当初計画では検定植物としてハツカダイコンを候補に挙げたが、実際の授業進行を鑑みて育苗を兼ねて検定することが有用であると判断し、検定植物を複数に広げることで達成した。3)「不良コンポストによる栽培」に着目した生育阻害発生条件の解明(コンポスト化期間の短縮や専門家不在の施肥管理で生じる問題対策)については、不良化する条件を明らかにするとともに、不良化コンポストおよび肥料成分濃度の高いコンポストで失敗する施用量を概ね明らかにした。具体的には、生ごみを一定量以上混合した場合は、栽培時の施用量を2割に抑えることで生育不良は概ね防げることが明らかになった。4)子ども主体・教科横断的な物質循環学習教材の開発(専門家不在でも実践可能な指導書の提案)について、コンポスト化条件と栽培条件については確立し、子ども用のマニュアルを作成し、また教師用としては年間計画、各時の授業計画(板書計画・発問計画含む)、ワークシート、配付資料等を作成した。 これらをまとめて記したWebサイトは最終確認と一部成果の発表を終えた後、公開する。
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