研究課題/領域番号 |
19K02776
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐川 馨 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (40400519)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 唱歌教育 / 東北 / 洋楽受容 / データベース / 音楽教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、明治から昭和初期の東北地方における洋楽受容と関連する唱歌教育普及過程の資料を収集し、デジタルデータ化してデータベースを構築することを目的とする。その上で、次の三つの取り組みを通して地域の音楽文化遺産の継承と地域の音楽素材に着目した研究と実践の充実に資することを目指す。ⅰ)明治から昭和初期の東北地方における洋楽受容と唱歌教育普及過程のライブラリの設置。ⅱ)上記を活用した研究者及び社会教育・学校教育への資料提供。ⅲ)ライブラリの資料を活用した教材開発と大学等における授業実践。 日本の洋楽受容や音楽教育の史的研究については中央の視点から論じられることが多い。その要因の一つは、地方においては関連資料が適切かつ体系的に保存整理されていないことが挙げられるだろう。それらを整理してデータベースを構築する本研究の取り組みは、地域の音楽文化遺産の継承とともに地域の音楽素材に着目した研究と実践の充実に資することを目指そうとするものである。加えて、収集した資料の分析を通してこれまでの洋楽受容や唱歌教育研究の成果を補完することも期待できると考える。 本研究では3ヵ年の研究期間内において、11段階により研究の着実な展開を図る。2019年度は、【Ⅰ:各県公文書館、図書館等での資料収集、収集した資料の整理とデジタルデータ化】、【Ⅱ:各県地方新聞の関連記事の検索と閲覧、収集した新聞記事等のデジタルデータ化】、【Ⅲ:収集した資料のデータベース構築の作業】に取り組んだ。 これらのうち【Ⅰ】については、東北各県立図書館で関係資料の収集と閲覧が概ね順調に進んだが、それらの整理とデジタルデータ化の作業については2020年度に取り組む計画である。【Ⅱ】については取材等を計画していた時期に移動制限となったため、調査の初期の段階にとどまっている。【Ⅲ】については、研究実績の一部でも公開できるよう準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3月に2回目の調査と資料収集を計画していたが、移動制限となったため、計画どおりの研究に取り組むことができなかった。また、オンライン授業の対応等、今般の新型コロナ対策の諸業務のために当初の計画から遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を見直し、取り組みきれていない研究段階について内容を精査しながら着実に進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
学内の諸業務が落ち着いた時期に調査に出る予定だったが、移動制限により実施できなかった。取り組んでいない研究については、2020年度に計画的に取り組む。
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