研究課題/領域番号 |
19K02781
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
松友 一雄 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 教授 (90324136)
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研究分担者 |
大和 真希子 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 准教授 (60555879)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教師の見取り / 教師のインターベンション / 学習の深まり |
研究実績の概要 |
基礎調査Aとして教師の「見取り」に焦点化した事例収集と分析・考察を進めた。調査方法は、ビデオカメラ3台による多方向からの記録と授業者へのインタビューであり、分析の観点として以下の三つの点を置いた。① 授業過程における学習者個人・学級集団内での「学習の深化」場面を抽出し、深化 の実態及び教師の「見取り」と「インターベンション」の実際を分析、考察した。② 教師と一緒に授業ビデオを視聴し、「学習の深化」場面での教師自身の計画性や意図性、「見取り」の実際と解釈などについてインタビューを行った。③ 学習の深化を示すエビデンスなどを対象に深化の内実を明らかにした上で類型化し、学習の深化に資する教師の「見取り」と「インターベンション」を捉える枠組みを作成した。 また、基礎調査 Bとして教師の「インターベンション」に焦点化した事例収集と分析・考察を進めた。調査方法としては、ビデオカメラ3台による多方向からの記録と授業者へのインタビューを行う。分析方法としては、以下の三点を置いた。① 深まりのある学習場面を抽出し、学習場面構築の見通しとゴールについて教師に聞き取り調査を行い、学習場面をどのように構築したのか分析、考察した。② 学習者個人の学習深化を示すエビデンスを収集し、学習の深化が学習集団のどの範囲で生じているのかを把握し、教師の「インターベンション」の効果を検証した。③教師と学習者のコミュニケーションを抽出し、学習の深化との関係を分析、考察した。
さらに、これら二つの調査結果をもとに、特に国語科における学習の深化が生じていると考えられる場面を抽出し、類型化することで教師の見取りやインターベンションの類型を細分化することを進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度計画していた二つの調査及び事例収集については概ね順調に進捗している。しかし初年度末からコロナウイルスの影響を受け、事例収集が完全にストップしている。こうした状況下では今後の見通しは付きにくいが、コロナウイルス蔓延の状況を鑑みながら研究を進めていくこととなる。
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今後の研究の推進方策 |
二つの基礎調査を継続しつつ、国語科授業における学習の深化そのものの類型を明らかにし、それを基準に教師の「見取り」と「インターベンション」の効果を事例を基に検証する。また、教師の「見取り」の質を向上させるための専門的知識を身につけるための研修、効果的な「インターベンション」を連続させることで深まりのある学習場面を生み出すための研修、など日々の授業の質を向上させるために自らの授業に向き合うことを支えつつ力量形成を図る研修を実施し、その効果を検証しつつ研修開発を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末にコロナウイルスが蔓延し、当初予定していた事例収集が実施できなくなった。このため、次年度以降、ウイルス蔓延の状況を考慮しながら、実施可能な時期に再調査を行う事を計画している。
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