研究課題/領域番号 |
19K02790
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研究機関 | 郡山女子大学 |
研究代表者 |
山本 裕詞 郡山女子大学, 家政学部, 教授 (40550702)
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研究分担者 |
佐久間 邦友 日本大学, 文理学部, 助教 (30761209)
佐藤 愛未 郡山女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (30822390)
伊藤 哲章 宮城学院女子大学, 教育学部, 准教授 (50735256)
田中 真秀 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (50781530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教育政策 / GIGA]スクール / コロナ禍 / スクールソーシャルワーカー / スクールロイヤー / チームとしての学校 / 藩校 / 官学 |
研究実績の概要 |
最終年度に発表できた成果は、「突発的事項時における学校教育の教育保障に関する一考察ー「新型コロナウィルス」における特別活動の実態からー」(論文①)、「「GIGAスクール構想」に向けたICT教育の発展可能性と課題」(論文②)、「明治初年の東北地方における官立学校についてー山形藩校と学而館の事例を中心にー」(論文③)、「「ブーム」が過ぎ去った教育施策の顛末」(学会発表①)の4点である。 論文①は、コロナ禍における学校教育の内実の変化に関する実証研究であり、従来の教育制度や内容の継続が困難になった面を可視化し、それへの対応の自治体間格差が認められることから、中央レベルでの教育政策の中断または終了の契機となることが示された。これに関連して論文②における「GIGAスクール構想」の実施も、コロナ禍と時期的に重なったことが、政策を後押しする側面と自治体間格差を広げる側面とに帰結していた。新型コロナウィルスの感染の広がりと長期化は、教育政策の終了または継続の二項対立の構図では捉えきれない複雑な様相を呈している。また、教育政策終了の普遍的メルクマールを探るべく、論文③の事例研究が行われたが、個別事例を検証すればするほど、地方の独自性の影響が強く出る部分と、それらの独自性を断ち切る形で明治初頭の中央集権的改革が行われた経緯が確認できた。 研究期間3か年を概観すると、学校への教職以外の専門職が参入することを前提とした「チーム学校」の法理を求める動向は、従来型の校長責任を強調する教育施策の継続を困難とする制度環境を生み出してきていた。また、小学校における「特別の教科 道徳」の教科書採択の傾向からは、授業実践に応じた教科書選択ニーズの変化が伺われた。 いずれも、新たな教育ニーズへの適応が、従来の教育施策への変化の呼び水となっていることに関しては、共通していることが可視化されてきたといえる。
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