研究課題/領域番号 |
19K02799
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研究機関 | 札幌国際大学短期大学部 |
研究代表者 |
河本 洋一 札幌国際大学短期大学部, 幼児教育保育学科, 教授 (50389649)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ヒューマンビートボックス / 初心者向け教材 / オノマトペ |
研究実績の概要 |
今年度は、コロナ禍のためオノマトペの発声を伴うフィールドワークを断念し、研究内容をヒューマンビートボックスの概念形成の今日的姿と指導者の理念の把握を中心に据え、初心者向けの教材については試作品の制作までで終了した。 まず、ヒューマンビートボックスの概念形成の今日的姿については、その成果を二つのかたちに集約した。一つは学会の査読付き論文、もう一つはYouTubeチャンネルの動画コンテンツである。論文は、日本音楽表現学会発行の『音楽表現学vol.19 2021』に『日本におけるヒューマンビートボックスの概念形成(2)ーYouTubeの普及による変化と今後の展望ー』として掲載された。この論文の中で、YouTubeの出現によってインターネットという仮想空間の中のみで技術が習得され演奏を楽しみ、それが視聴されるという側面ももつヒューマンビートボックスが変化していることを指摘した。また、このような変化は、これまでの音楽表現の指導者観をも変えていく可能性があり、その変化に応える新時代の指導者の出現が予見されることなどを指摘した。 一方、この論文を裏付けともなるYouTubeコンテンツを、日本を代表するビートボクサーへの聞き取り調査の対談番組として制作し、研究者のホームページ及びYouTubeチャンネルで公開した。 これらの成果を踏まえ、ヒューマンビートボックスの初心者向けの教材として、カタカナを変形させ視覚的に音の変化を感じ取りやすくする教材を開発し、試作品として実践調査する前の段階まで研究を進めることが出来た。しかし、実際に実践をすることができなかったため、研究期間を一年間延長し、使用感、実効性などを調査し、その結果を踏まえて教材をブラッシュアップし、主に幼児(年長)から小学校低学年向けの教材としての実践準備にまでこぎつけた。なお、今年度は実践する場を既に選定済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ビートボクサーの指導理念やヒューマンビートボックスの今日的姿を把握することができたものの、コロナ禍のため、教材の試作品まで完成したものの、実践するまでには至っていない。これは研究者の責に帰するものではなく、コロナ禍のためやむを得ないと考える。教材の試作品は完成している。したがって、研究期間を1年延長した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度については、教材の試作品を使った実践の場を確保しており、コロナ対策も万全にした上で、実践データの収集ができる見通しが立っている。その上で、教材の作り込みを更に進め、音楽教育の現場で音楽表現の幅を広げる教材として活用出来るよう、研究を進めていく予定である。 なお、フィールドワークの現場としては、付属幼稚園、ヒューマンビートボックスのキッズスクールを確保しており、保護者の同意を得た上で実践データを収集する予定である。また、教材の試作品は、意匠登録または特許出願の検討も視野に入れた完成品を目指す予定である。現在のところはまだ公に触れるかたちでは公開していないが、実践結果を鑑み判断したいと考えている。目途は令和4年度末を予定している。また、研究の成果によっては、新たな研究の必要性も考えられることから、科研費によるさらに発展したテーマの研究も検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
教材の試作品の実践がコロナ禍のために実施できなかった。したがって、その実践に要する経費を次年度へ繰り越し、具体的な実践データを収集すべく、研究期間を一年間延長し認められた。
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