研究課題/領域番号 |
19K02813
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
松井 祐 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10290537)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 伝統工芸 / 伝統文化 / ものづくり / ICT教材 / 図画工作 |
研究実績の概要 |
本研究は,日本の伝統工芸・伝統文化にかかわるモノづくりを調査し,学校,地域,社会をつなぐICT教材による伝統工芸・伝統文化を取り入れたモノづくり教材を作成することである。 本年度は,コロナウイルスの影響により当初計画していた研究内容を一部変更し,日本の伝統工芸や伝統文化にかかわる教材作成を中心におこなった。「伝統工芸から学ぶものづくり」の幼児・児童対象の講座で使用するワークシート,伝統工芸に関する内容をまとめた動画などICT教材を作成した。予定していた実践研究は,コロナウイルスの影響で全て中止となったため,伝統工芸制作工程における指導法の研究,ICT教材の有効性を検証した。 具体的には,次の事項について研究し,検証を行なった。 1.伝統工芸モノづくり教材「モノ比較本:くらべてみよう」,「伝統工芸ワークシート」の作成では,「絞り染め」から学ぶ手ぬぐいづくり,「組みひも」から学ぶ組みひものアクセサリーづくり,「すだれ」から学ぶミニすだれづくり,「壺屋焼」から学ぶシーサーづくりの4教材を作成した。 2.2018年度から2019年度にかけて実施した,伝統工芸ものづくり講座の実践内容をまとめ,伝統工芸の現状と課題,素材体験学習の効果,制作工程の指導法,伝統工芸の普及・発展と課題について検証し,学会発表で報告した。 3.伝統工芸ものづくり動画「伝統工芸から学ぶモノづくり」の教材として,「絞り染めの手ぬぐいづくり」,「組みひものアクセサリーづくり」,「ミニすだれ」,「シーサーづくり」の試作動画の編集を行なった。 4.学校教育で活用し,教科の学習内容を深めることを目的に,「絞り染めの手ぬぐいづくり」を CLILによる指導法として考案した。身近な素材を使った防染方法として,3種類の技法による染色方法を提案し,英語によるアートゲーム型のワークシート教材を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
伝統工芸モノづくり教材「モノ比較本:くらべてみよう」,「伝統工芸ワークシート」の作成は,計画的に進んでいる。また,伝統工芸から学ぶものづくりの実践で活用する伝統工芸ものづくり動画の編集も完了している。しかし,これらの教材を活用した幼児・小学生を対象とした実践研究がコロナウィルスの影響で全て中止となり,伝統工芸から学ぶものづくりの実践後に教材を検証し改良する予定であったが計画通り遂行できなかった。また,教材を HPで公開予定であったが延長することになった。
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今後の研究の推進方策 |
小学校で活用することを目指すICT教材作成として,1.日本の伝統や文化に親しむことを重視した教材「児童用:くらべてみよう」,「児童用:伝統工芸ワークシート」の作成。2.伝統・文化ものづくり動画教材「児童用:伝統工芸から学ぶものづくり」の作成。3.公開講座においてものづくりの実践,教材の改良や指導法の検証に着手する予定である。 伝統工芸ものづくりの実践研究では,大学の公開講座と連携協力し,令和3年6月から7月に幼児・小学生を対象とした「伝統工芸から学ぶものづくり」の講座を計画している。作成した試作教材の活用,アンケート調査の実施,教材内容や指導法について検証する予定である。 令和2年度に実施予定であった幼児を対象としたものづくり講座は令和3年7月に計画している。また,伝統工芸・伝統文化の実地調査も計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度に実施予定であった幼児・児童を対象としたものづくり講座,伝統工芸・伝統文化の実地調査がコロナウィルスの影響により実施できなかったため,物品費,旅費などを繰り越した。 また,ICT教材の公開,配信については,新学習指導要領による教科書をもとに再検討するため,その他の経費については繰り越した。今後の状況を考慮しながら使用する計画である。
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