研究課題/領域番号 |
19K02819
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
伊藤 大輔 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 准教授 (40440961)
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研究分担者 |
田中 博之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20207137)
鈴木 一成 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (50736767)
磯部 征尊 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70736769)
京免 徹雄 筑波大学, 人間系, 助教 (30611925)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 道徳科 / 特別活動 / 学級経営 / 学級力 / 学校環境適応感 / プロジェクト学習 / カリキュラム開発 |
研究実績の概要 |
1. 目的 学級力向上プロジェクトとは、児童生徒が「学級力アンケート」と呼称する調査を実施し、その結果をレーダーチャート形式で可視化して表現する「学級力セルフ・アセスメントシステム」を活用し、学級改善のための主体的な取り組みを行うプロジェクト学習である。本研究では、改善型学級力セルフ・アセスメントシステムを活用し特別活動と道徳科を連携させた教科等横断的カリキュラム開発とその効果を実証する。 2. 成果の概要 本年度は、研究協力者(授業者)及び所属校の協力を得ながら、特別活動と道徳科を連携させた教科等横断的なカリキュラムの開発・実践と、児童生徒を対象とした教育的効果の検証を行った。また、学級力向上プロジェクトの成果を評価するための尺度の1つとして、学校環境への「適応感」に注目し、学級力と適応感の関連を検討した。 3. 意義・重要性 特別活動と道徳科を連携させたカリキュラム・モデルを構想し、一定の実践事例を蓄積できたことにある。学級力の向上のためには、特別活動(主に学級活動)に限定せず、各教科や道徳科、総合的な学習の時間とも関連づけた包括的なカリキュラム開発が重要となることが指摘されている。しかし、現状では実践事例は限定的であり、課題の1つとなっていた。また、学級集団への帰属意識と隣接する学校環境への適応感から、学級力向上プロジェクトの効果に接近を試みたことも、大きな意義があると言えるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、令和2年2~3月に計画していた研究活動(研究目的①-3:研究協力者(授業者)への聞き取り調査の実施、②-1:指導経験者へのインタビューの実施)が困難となってしまった。さらに、②-1で得られたデータが必要となる、②-2:指導・支援方法の類型化に着手することができなくなったため、上記の判断となった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画にはなかったが、新型コロナウイルス感染症の状況により、2通りのプランを設定した。まず、感染症の流行が終息し、協力校において教育実践研究が可能となった場合(プランA)である。プランAでは、研究目的①及び②に関連する活動を継続し、前年度の課題を中心に研究仮説の検証を行う。併せて、③-1:研修用教材と研修プログラムの作成、③-2:教員研修会及び学級力向上フォーラムの実施に取り組むものとする。 次に終息の見通しが立たず、協力校での教育実践研究を断念せざるを得なくなった場合(プランB)である。プランBは、①-2:児童生徒を対象とした教育的効果に特化し、既存の研究データ(授業記録を含む)のうち、未分析のものを取り上げ、主に質的なアプローチから検証を試みる。また、可能であれば、zoomやskype等のビデオ会議システムを活用して、①-3:研究協力者(授業者)への聞き取り調査や、②-1:指導経験者へのインタビュー調査の実施し、可能な範囲内で研究を継続することにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、令和2年2~3月に計画した出張がキャンセルとなったため。 使用計画:先述したように、本年度は、研究目的①-2:児童生徒を対象とした教育的効果の検証(例:授業録画の文字起こし)や、③-1:研修用教材(マンガ教材)の作成を行う。そのための人件費・謝金を中心に使用する。
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