研究課題/領域番号 |
19K02823
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研究機関 | 関西外国語大学 |
研究代表者 |
塚田 泰彦 関西外国語大学, 英語キャリア学部, 教授 (50163762)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 語彙知識 / 語彙力 / 語彙指導法 / 語彙学習方略 / 語彙意味論 |
研究実績の概要 |
令和元年度(1年目)に実施した語彙教育理論の内外の研究成果を総括的に整理した枠組みの下で、とくに「語彙知識」概念の多様性と指導上の困難点を明確にした令和2年度(2年目)の成果を受けて、語彙教育の原理面の実践面への展開の諸相を3つの語彙学習方略の視点から再検討することを行った。 3つの語彙学習方略とは「文脈の活用」「語構成要素(語の部分)の意識化」「定義/辞書の活用」である。いずれも海外の先行研究では厳密に蓄積された実績があるが、これを日本での実践面への再考のために検討したものがなく、今年度の研究はこの点での原理的再検討と「日本語」の語彙知識の拡充に特化した展望を得ることを目的に実施した。3つの語彙学習方略の原理面では基本的なものについては実践上特筆すべき差異はないと判断したが、英語と日本語の言語的特質の差異は実践の対象となる語彙体系や指導方法に反映されるべき点があり、これらを明確にするために試行的な調査を実施した(2021年7月、於千葉県柏市立風早北部小学校)。 この調査の分析結果に基づいて、1)「語構成要素(語の部分)の意識化」方略について、第140回全国大学国語教育学会で研究発表を行い、2)「定義/辞書の使用」方略について、第141回全国大学国語教育学会で研究発表を行った。なお、発表に際して、それぞれの方略を1)「語構成要素の意識化」と2)「定義法」という表現で行った。これまでにない原理的展望のもとでかつ海外の実証的研究成果に基づいた日本での日本語語彙教育における最新の知見を提供した。「文脈の活用」方略については今後の課題として残されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
語彙学習理論の原理面での情報収集と分析・整理は概ね終了しているが、実践面での応用可能性を確認するための調査研究がこの2ヵ年コロナ禍で遅延している。令和3年度に実施できた調査も公立小学校1校に留まった。このため、複数の全国的な実施計画は未実施の部分がかなり残されている。予備的な調査の実施と分析およびその研究成果発表は終了しているので、公立学校の複数のクラスでの本格的な調査の実施と分析およびその研究成果の発表を残している。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度に実施した3つの語彙学習方略に基づく語彙知識の拡充過程の調査を調査対象校を増やして鋭意推進し、原理的な面での日本語における課題を確定して、実践的展望を得る。この成果に基づいて、語彙学習方法の実践的展開の様相についても、授業実践によって実証的な事例研究を進める。一連の研究成果は研究論文や学会での研究発表によって公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
公立学校のクラスでの調査研究がコロナ禍で遅延し、未実施分を次年度使用へと移行したためである。主として当初の計画に即して複数の地域で公立学校の授業時間の提供を受けて実施するための旅費等に充てる。
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